ポルシェ整備 996GT2 ギアチェンジ不具合の原因 その12 2014.02.03
昨日ご紹介したポルシェ 996 GT2 トランスミッションの交換用のパーツがすべて揃い、修理が完了したため、組み付け作業に入っていきます。
まずはトランスミッション上部のインプットシャフトに1速から4速ギアまでを組み付けました。写真右から1速、2速、3速、4速のギアとなります。トラブルがあった3速と4速のギアは新品に交換しています。
明日に続きます。
ポルシェ整備 996GT2 ギアチェンジ不具合の原因 その11 2014.02.02
本日も引き続き、ポルシェ 996 GT2 トランスミッションの不具合箇所の確認を行います。
本日はミッションオイルポンプのリリーフバルブをご紹介します。
冬場等で気温が低なり、それによってミッションオイルの粘度が高くなるとオイルポンプやミッションオイルクーラー内部に非常に高い圧力がかかり、それによって、オイルポンプやミッションオイルクーラー壊してしまう恐れがあります。それを防ぐのが写真のリリーフバルブです。
リリーフバルブはバネと奥にボールが取り付けられた構造になっています。
オイルポンプ内の圧力が高まるとミッションオイルがボールを押し上げ、バネがそれを吸収します。
あらかじめ設定された圧力以上になると、通常はオイルクーラーに向かうミッションオイルがリリーフバルブからミッションオイルがギアケースに戻る仕組みになっています。
ポルシェ整備 996GT2 ギアチェンジ不具合の原因 その10 2014.02.01
本日も引き続き、ポルシェ 996 GT2 トランスミッションの不具合箇所の確認を行います。
本日はエンドケースから分配されたミッションオイルの供給先の残りのメインシャフト、カウンターシャフトをご紹介します。
メインシャフト、カウンターシャフトとも中空になっており、この中にエンドケースから運ばれたミッションオイルが溜まります。
またメインシャフト、カウンターシャフトともにデリバリーパイプと同じように各所に穴が開いており、シャフトが回転したときに発生する遠心力によってミッションオイルがギアやベアリング部分に供給されます。
明日に続きます。
ポルシェ整備 996GT2 ギアチェンジ不具合の原因 その9 2014.01.31
本日も引き続き、ポルシェ 996 GT2 トランスミッションの不具合箇所の確認を行います。本日はエンドケースから分配されたミッションオイルの供給先のひとつであるデリバリーパイプをご紹介します。
デリバリーパイプは写真のようにエンドケースに組み付けられます。高い圧力がかけられたミッションオイルがデリバリーパイプの中を通ります。
またデリバリーパイプ表面の各所には写真のように穴が開けられており、それぞれの穴はデフのピニオンやギアのかみ合わせに位置にミッションオイルが吹き付けられるように考えられ、設計されています。
明日に続きます。
ポルシェ整備 996GT2 ギアチェンジ不具合の原因 その8 2014.01.30
本日も引き続き、ポルシェ 996 GT2 トランスミッションの不具合箇所の確認を行います。本日はミッションオイルがどのようにトランスミッション内に供給されているか、その供給ルートをご紹介します。
トランスミッション内部を循環するミッションオイルは最終的にデフケース内に送られます。
デフケースの中には、ミッションオイルを吸入するオイルポンプがあり、再びトランスミッション内部に
循環するためオイルポンプがミッションオイルを集めます。
オイルポンプは、カウンターシャフトの回転よってポンプに取り付けられたピニオンが回転し、
その力でミッションオイルを吸入しています。
オイルポンプの先には昨日ご紹介したミッションオイルクーラーが接続されています。
ミッションオイルクーラーを経たミッションオイルはオイルラインを通じてトランスミッションのエンドケースに送られます。エンドケースにはミッションオイルが3か所に分かれるように設計されており、それぞれデリバリーパイプ、メインシャフト、カウンターシャフトにミッションオイルが分配され、再びトランスミッション内部にミッションオイルが循環する仕組みになっています。