新着情報

ポルシェ整備 964〜993 空冷エンジン進化 その1
2014.01.14

ポルシェ964とポルシェ993のエンジンのカムハウジング違いからエンジン技術の進化をご紹介します。ポルシェ964とポルシェ993のエンジンでは、ロッカーアームとロッカーシャフトにエンジンオイルを供給する方法が異なっています。



ポルシェ964はロッカーアームにエンジンオイルが吹き付けられ、ロッカーアームのオイル穴に溜まったエンジンオイルがロッカーシャフトに供給されます。

ポルシェ 整備


一方、ポルシェ993はカムハウジングからロッカーシャフトに直接オイルラインが通っており、ロッカーシャフトからロッカーアームへとエンジンオイルが伝わります。

ポルシェ 整備


ロッカーシャフトの表面に常にエンジンオイルが付着している必要があるので、993ではロッカーシャフトに直接エンジンオイルが供給されるように964からの改良が施されています。

明日に続きます。

ポルシェ整備 964ティプロトニック(AT)トランスミッションのオイルフィルター
2014.01.13

ポルシェ 964のAT車 ティプロトニックトランスミッションのオイルフィルターです。

オイルパンの中にあるATフルード(ミッションオイル)は、オイルフィルターを通って再びトランスミッション内部に戻されます。

ポルシェ 整備


オイルフィルター左写真の穴からATフルードを吸い、右の写真の穴からトランスミッションにATフルードが戻る仕組みとなっています。


ポルシェ 整備 ポルシェ 整備

オイルフィルターの中身は写真のようになっており、このフィルターをATフルードが通ることによってATフルード中の不純物が除去されます。

ポルシェ 整備

ポルシェ整備 996GT3 バリオカムソレノイドからのオイル漏れ
2014.06.21


ポルシェ 996 GT3のバリオカムソレノイドからのオイル漏れを行います。バリオカムソレノイドはバルブタイミングの進角装置で、水冷エンジンのポルシェには写真のパーツが取り付けられています。


ポルシェ 整備


エンジンオイル漏れは普通、パーツとパーツの間のシール部分に発生することが多いですが、このバリオカムソレノイドに関しましては、コネクタの中を伝わってオイル漏れが発生することがよくあります。

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ポルシェ整備 928GTS 冷却ファン〜ヒューズのトラブル その2
2014.01.11

昨日に引き続き、ポルシェ 928 GTSの冷却ファン〜ヒューズのトラブルです。

冷却ファン以外のトラブル確認を行ったところ、冷却ファンへの電気を制御するヒューズが熱で熔け、焦げて
いるのが確認できました。ヒューズは助手席の奥に取り付けられています。

ポルシェ 整備ポルシェ 整備


ヒューズが熔けた原因は、冷却ファンにトラブルが発生したことによって
ヒューズへの負荷がかかり、熱が発生したためです。焦げて黒く変色していることが確認いただけます。

ポルシェ 整備


熔けたヒューズは正常に電気が流れなくなるため、冷却ファンへの電気が供給されず、
冷却ファンが回らなくなる原因となっていました。


今回発生したポルシェ 928 GTSの冷却ファン〜ヒューズのトラブルの
一連の流れは以下の通りです。

●冷却ファンにトラブルが発生

●ヒューズに負荷がかかり熱が発生、ヒューズが熔けた

●ヒューズが熔けたことにより、電気が流れなくなり冷却ファンに電力が供給されなくなる

●冷却ファンが回らなくなる

●冷却が十分に行われなかったため、冷却水が吹き上げた


今回のポルシェ 928 GTSはトラブルの発見・修理が早かったため、
ヒューズ・冷却ファンの交換で済みました。

しかしながら、修理せず放置したままだとエンジン本体
にも深刻なダメージを与える恐れがあったトラブルです。

ポルシェ整備 928GTS 冷却ファン〜ヒューズのトラブル その1
2014.01.10

ポルシェ 928 GTSの冷却ファン〜ヒューズのトラブルです。


お客様が今回持ってこられたポルシェ 928 GTSは
「エンジン停止するとエンジンルーム内の冷却水タンクから冷却水が吹き上げてしまう」
という症状が発生しておりました。




詳しく調べてみるとラジエーターに取り付けられている冷却ファンが回転しなくなっていることが確認できました。

ポルシェ 整備


冷却ファンが回らない状態で走行すると走行している間は、走行風がラジエーターにあたるので、冷却効果が期待できますが、停止時には冷却がまったく行われない状態になります。

その結果、冷却水が高温・高圧になり却水タンクから吹き上がってしまっておりました。

明日に続きます。