ポルシェ整備 964・エンジン 精度の高さの重要性
2017.10.31
ポルシェ 964 カレラ2のエンジンのクランクシャフトとコンロッドです。コンロッドの大端径(大きい円の部分)が、クランクシャフトのクランクピンに組み込まれ、ピストンから受けた力を回転力に変えます。
コンロッドの大端径とクランクシャフトのクランクピンと間には適切なクリアランスがなければいけませんので、正確に計測する必要があります。 「プラスチゲージ(写真手前)」と呼ばれるゴムのようなのをそれぞれの間に挟んで、クリアランスの値を計測するのが、一般的な方法ですがこれでは正確な値が図れるとは限りません。
より精密な数値を測定するため「ダイヤルゲージ(写真中央)」を用い、より精度の高いクリアランス値を計測しています。
大きな力が長期にわたってかかる部分だけにこのような細かなクリアランス値を計測することが大切となってきます。
ポルシェ整備 964・エンジン ピストンリングのクリアランス測定
2017.10.30
シックネスゲージを用いて、ポルシェ 964エンジンのピストンリング合口のクリアランス測定を行います。ピストンリングは2枚のコンプレッションリングと1枚のオイルリングがあり、ピストン外周に装着します。
コンプレッションリングは、燃焼室からクランクケース側へと圧力を逃がさないようにし、またオイルリングはシリンダについているエンジンオイルをかき落とし、ピストンの焼きつきを防止します。
ピストンリングにはピストンに装着するために一部分に合口があります。エンジン内部は非常に高温となり、ピストンリングも熱で膨張するため、合口には適度なクリアランスが必要となります。
クリアランスは、厚みの異なるシックネスゲージを順に差し込み、測定します。
ポルシェ整備 993・ターボ MTミッションの修理 その7
2017.10.29
引き続き「ポルシェ 993ターボ ミッションの修理」をご紹介していきます。
昨日は、LSDの内部ディスクの摩耗までご紹介しました。
摩耗したLSDの内部ディスクは、デフを組み付け直す際に新品に交換いたします。
新品のLSDの内部ディスクと今回お客様が持ち込まれたポルシェ 993ターボから取り外したLSDの内部ディスクを並べてました。左側が、新品のディスク。右側が今回取り外したディスクとなります。
新品のLSDの内部ディスクは素材が変更となり、接触面がカーボンのパーツとなっております。トラブルが発生しにくくなるよう、ポルシェ社の対策が施されたディスクとなっています。
ポルシェ整備 993・ターボ MTミッションの修理 その6
2017.10.28
紹介していきます。
デフを分解していき、LSDの内部ディスクを取り出しました。ポルシェ 993ターボは、4枚のLSDの内部ディスクが取り付けられています。
それぞれのディスクの厚みを測定します。新品の状態ですと厚みは3mmありますが、今回のポルシェ 993ターボは最小で2.6mmと摩耗が進行してることがわかりました。
またLSDの内部ディスクは、写真の通り黒色の素材でできたパーツです。ミッションオイルの変色および、ミッション内部の内壁に付着していた異物はこの LSDの内部ディスクの摩耗によって発生した異物がミッションオイルとともにミッション内を潤滑することにより発生したと考えられます。
明日に続きます。
ポルシェ整備 993・ターボ MTミッションの修理 その5
2017.10.27
引き続き「ポルシェ 993ターボ ミッションの修理」をご紹介していきます。
バックラッシュの確認までご紹介いたしました。
本日は、デフの分解をご紹介いたします。トランスミッションのメインケースから、サイドカバーを取り外したところです。先日ご紹介した内壁と同じように中はデフ、その周りの内壁も真っ黒に変色していいます。
デフを取り外しました。メインシャフトをよく見てみると傷があることが確認できました。
真っ黒に変色したミッションオイルの中にある異物が傷つけたと考えれます。