新着情報

991 油圧制御式スタビリンク
2019.04.21

スタビライザーという部品をご存知でしょうか。

ポルシェには全車に装着されている部品で、車体のロールを防ぐ役割を担っています。

ロールといってもイメージできない方が多いと思われます。車にはローリング・ヨーイング・ピッチング3方向の動きがあり、この動きをコントロールすることで軽快なドライビングを実現することができます。

 

車体の重心の位置を前後に貫く軸をX軸とし、このX軸周りに発生する回転モーメントのことをローリングと呼称しています。

また、車体の重心を中心に左右方向に貫く軸をY軸とし、このY軸周りに発生する回転モーメントをピッチングと呼称しています。

さらに、車体の重心を上下方向に貫く軸をZ軸とし、このZ軸周りに発生する回転モーメントをヨーイングと呼称しています。

 

ポルシェに限らず、世界の名立たる自動車メーカーは電子制御によりこれらの動きの制御を試みています。アクティブヨーコントロールなどは聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

写真の赤丸部分に示す通り、991ではオプション装備でスタビライザーの両端とストラットをつなぐ部品であるスタビリンクに油圧アクチュエータを用い、長さを可変長整式とすることでローリングの制御をよりリニアに行うことができるようになっています。

足回りの小さな部品からも、技術の進歩が感じられますね。

 

 

 

 

 

 

 

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ナロー カムチェーンテンショナーの改善
2019.04.17

先日完成した72Tのカムチェーンカバーに見慣れないパイプがついています。
72年式のテンショナーはオイルダンパー式ですが、経年劣化によりオイルのスラッジや他の不純物でダンパーのオリフィス穴が詰まり、適切なテンションでチェーンを保持することができなくなりました。
この車両も例外でなく、不調が見受けられました。そのため対策部品として84年式の930 carreraから用いられている油圧式のカムチェーンテンショナーを使用しました。
カムチェーンテンショナーのオイルダンパーが故障すると、カムチェーンカバーのあたりからシャラシャラといった異音が発生します。また、吸排気バルブの開閉のタイミングはカムチェーンとカムスプロケットの位置関係によって決定されます。そのため、カムチェーンが弛むとバルブタイミングの狂いが生じ、出力の低下を引き起こします。
エンジンを車両に搭載した状態ですと、エンジンマウントが邪魔になりカムチェーンテンショナーの変更は困難を極めますが、今回のようにオーバーホールのついでに交換すると工賃が嵩まずに済みます。
このような提案は豊富な知識や整備経験によって生み出されます。
このナローのように”クラシックカー”に分類される車両の整備においては、純正部品の供給が思うに任せず、完成までに想像以上の時間を費やしました。
クラシックポルシェのエンジンオーバーホールを検討されているオーナーは、是非お気軽にご相談ください。









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