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ポルシェ整備 964 精度の高さの重要性
2013.11.25


ポルシェ 964 カレラ2のエンジンのクランクシャフトとコンロッドです。コンロッドの大端径(大きい円の部分)が、クランクシャフトのクランクピンに組み込まれ、ピストンから受けた力を回転力に変えます。


ポルシェ 整備-ポルシェ 極限までの精度の高さ ポルシェ 整備-ポルシェ 極限までの精度の高さ


コンロッドの大端径とクランクシャフトのクランクピンと間には適切なクリアランスがなければいけませんので、正確に計測する必要があります。

ポルシェ 整備-ポルシェ 極限までの精度の高さ


「プラスチゲージ(写真手前)」と呼ばれるゴムのようなのをそれぞれの間に挟んで、クリアランスの値を計測するのが、一般的な方法ですがこれでは正確な値が図れるとは限りません。

より精密な数値を測定するため「ダイヤルゲージ(写真中央)」を用い、より精度の高いクリアランス値を計測しています。

大きな力が長期にわたってかかる部分だけにこのような細かなクリアランス値を計測することが大切となってきます。

ポルシェ 整備-ポルシェ 極限までの精度の高さ

ポルシェ整備 964 ピストンリングのクリアランス測定
2013.11.24


シックネスゲージを用いて、ポルシェ 964エンジンのピストンリング合口のクリアランス測定を行います。ピストンリングは2枚のコンプレッションリングと1枚のオイルリングがあり、ピストン外周に装着します。

コンプレッションリングは、燃焼室からクランクケース側へと圧力を逃がさないようにし、またオイルリングはシリンダについているエンジンオイルをかき落とし、ピストンの焼きつきを防止します。


ポルシェ 整備


ピストンリングにはピストンに装着するために一部分に合口があります。エンジン内部は非常に高温となり、ピストンリングも熱で膨張するため、合口には適度なクリアランスが必要となります。
クリアランスは、厚みの異なるシックネスゲージを順に差し込み、測定します。

ポルシェ 整備

ポルシェ整備 964/993比較 タイロッドの進化
2013.11.23


ポルシェ 964 とポルシェ993の足回りに取りつけられているタイロッドの比較です。

タイロッドは、ハンドル操作に合わせてフロントタイヤを左右に動かすために、ステアリングラックからアップライトまでを繋ぐロッドです。

写真上部がポルシェ964のタイロッド、下部がポルシェ993のタイロッドとなります。

ポルシェ964のタイロッドはステアリングラック側とアップライト側からそれぞれボルトが出ており、そこに両端にナットがついた筒状のタイロッドを取り付けます。タイヤから受ける力をそのままハンドルに伝えます。

ポルシェ 整備


一方、ポルシェ993のタイロッドはゴムダンパーが取り付けられており、タイヤから受ける力はゴムダンパーを経てハンドルに伝えられます。ゴムダンパーがあることによって、より滑らかなハンドリングを得られるようタイロッドが進化しています。

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ポルシェ整備 993ティプトロ オイルパンの分解・洗浄
2013.11.22


ティプトロニックトランスミッションの下部に取り付けられているギアオイルのオイルパン(金色のパーツ)の分解・洗浄を行います。


ポルシェ 整備


ティプトロニックトランスミッションの中を流れるギアオイルは一度このオイルパンに集められ、オイルパン上部に取り付けられたオイルフィルターを通って再びティプトロニックトランスミッション内を循環しています。


ポルシェ 整備


オイルパンの中にはオイルフィルター以外にも不純物を除去するため、3か所に磁石が取り付けられています。


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分解・洗浄が終わったらオイルパンを再び組み付けます。

これで、一連のティプトロニックトランスミッションの修理が完了しました。

ポルシェ整備 993ティプトロ ギアオイル漏れ箇所の診断
2013.11.21

ポルシェ 993のティプトロニックトランスミッションのオイル漏れの修理を行っていきます。


オイルがティプトロニックトランスミッションの表面に黒くベッタリと附着していて、トランスミッションのいずれかの箇所からオイル漏れが発生していることがわかります。


ポルシェ 整備

オイル漏れ箇所を詳しく診断したところ、

 

・左側のデフのフランジシール


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・ピニオンシャフトのシャフト側


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からギアオイルが漏れていることが確認できました。ひとつひとつ丁寧に分解・洗浄し、再びオイルが漏れないようしっかりとシーリングを行います。

 

明日に続きます。