新着情報

ポルシェ整備 996 ギアの変速不具合の原因 その3 
2014.04.24

本日も引き続き、ポルシェ 996 GT2 トランスミッションの不具合箇所の確認を行います。

本日はカウンターシャフトの確認を行います。

ポルシェ 整備


カウンターシャフトはトランスミッション内部でメインシャフトと並行に取り付けられ、組み付けられたギヤの働きによってメインシャフトと逆方向に回転するとても重要なシャフトです。

カウンターシャフトの確認を行ったところ、カウンターシャフトを固定・支持しているベアリング部分にガタが見られました。固定・支持しているベアリングにガタがあるということはカウンターシャフトの回転にブレが生じ、ギアを痛めてしまう原因の一つとなります。

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明日に続きます。

ポルシェ整備 996 ギアの変速不具合の原因 その2 
2014.04.23

本日も引き続き、ポルシェ 996 GT2 トランスミッションの不具合箇所の確認を行います。

本日はシンクロナイザリングの確認を行います。


ポルシェ 整備



ギアチェンジを行う際、現在のギアと繋ぐ方のギアはギアの回転数が異なっており、ふたつのギアを回転の異なったまま繋いでしまうとお互いのギアに大きな負荷がかかり、最悪の場合トランスミッションが壊れてしまいます。

それを防ぐのがこのシンクロナイザリングです。ギアがつながる直前に現在のギアからシンクロナイザリングが押し出され、これから繋ぐ方のギアの回転にブレーキをかけることで、ギア同士の回転を合わせます。

シンクロナイザリングがあることでスムーズなギアチェンジが可能になります。

今回のポルシェ 996 GT2は「変速時に三速に入りにくい」症状が出ておりますので、三速と四速のシンクロナイザリングを比較しました。

ポルシェ 整備 ポルシェ 整備


正常な四速のシンクロナイザリングに比べ、三速のシンクロナイザリングは一部が摩耗しています。
これも「三速に入りにくい」という症状の原因のひとつだと考えられます。

ポルシェ整備 996 ギアの変速不具合の原因 その1 
2014.04.22

本日より数回に渡ってポルシェ 996 GT2 トランスミッションのギアチェンジ時の不具合箇所の確認をご紹介いたします行います。今回確認を行うポルシェ 996 GT2は「変速時に三速に入りにくい」という症状が発生しています。


まずは、3速と4速のシフトフォークのシャフトを支えるベアリングの確認を行いました。ベアリングは、シフトフォークのシャフトが滑らかな動きをするように取り付けられています。

ポルシェ 整備 ポルシェ 整備


ベアリングが正常に働いているかどうかを確認するため、シャフトを取り外しベアリングに指を入れて力をかけ、シャフトの動きと同じようにベアリングを指で動かしてみました。するとベアリングの内側に何かしら抵抗があるような感触があり、滑らかな動きをしていませんでした。

ポルシェ 整備


そこでベアリングを取り外し、ベアリング内側を確認してみると傷があることが確認できました。
「変速時に三速に入りにくい」という症状の原因のひとつだと考えられます。

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明日に続きます。

ポルシェ整備 964-993エンジン 空冷エンジンの進化 その2
2014.04.21

昨日に引き続き、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いから空冷エンジンの進化をご紹介します。

ポルシェ964とポルシェ993のエンジンでは、
カムシャフトから押されるロッカーアームの先に付いたタベットの取り付け方法が異なります。

ポルシェ 整備


ポルシェ964は調整式となっており、エンジンを組む際に定められた位置で締めて固定します。一方のポルシェ993はバルブとのクリアランスを最適に保つよう油圧式となっています。

ポルシェ 整備



仮にカムシャフトが何らかの原因で減って、ロッカーアームのタベット部分を押す力が減っても993の油圧式ですとクリアランスをある程度一定に保つことができます。

明日に続きます。

ポルシェ整備 964-993エンジン 空冷エンジンの進化 その1
2014.04.20

 本日から数回に渡って、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンのカムハウジング違いから、

空冷エンジンのエンジン技術の進化をご紹介します。


ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いのひとつで、
ロッカーアームとロッカーシャフトにエンジンオイルを供給する方法が異なります。

ポルシェ 整備


ポルシェ964はロッカーアームにエンジンオイルが吹き付けられ、
ロッカーアームのオイル穴に溜まったエンジンオイルがロッカーシャフトに供給されます。

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一方、ポルシェ993はカムハウジングからロッカーシャフトに直接オイルラインが通っており、
ロッカーシャフトからロッカーアームへとエンジンオイルが伝わります。

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ロッカーシャフトの表面に常にエンジンオイルが付着している必要があるので、993ではロッカーシャフトに直接エンジンオイルが供給されるように964からの改良が施されています。

明日に続きます。