新着情報

ポルシェ整備 964エンジン クランクケース組付けのチェックと準備 その3 
2015.11.24

本日もオーバーホール中のエンジンのクランクケース組付けまでの確認と準備作業をご紹介いたします。
下記の写真は、オイルラインの洗浄作業を行っているところです。


ポルシェ 整備


ポルシェのエンジンは、スルーボルトの穴がエンジンオイルの通り道となるオイルラインを兼ねているため、
中に溜まったカーボンを丁寧に落としていきます。

ポルシェ 整備


エンジンのオーバーホールは、多くの作業時間を個々のパーツの洗浄に割きます。
オーバーホールの作業を大きく区分けいたしますと

【車体からエンジンを取り外後】

分解→【洗浄】→測定

【クランクケース単品】

【洗浄】→点検→加工(接合面などの磨き)→仕上げ→【洗浄】


となり多くの作業時間を【洗浄】に割いていることがお分かりいただけます。

この洗浄こそが、オーバーホール後トラブルなく長くポルシェを乗っていただくための秘訣のひとつです。

ポルシェ整備 964エンジン クランクケース組付けのチェックと準備 その2 
2015.11.23

本日もオーバーホール中のエンジンのクランクケース組付けまでの確認と準備作業をご紹介いたします。

クランクケースの各合わせ面の砥石を使って丁寧に磨く前と後の比較写真をご覧ください。
それぞれ左が前、右が後の写真となります。

ポルシェ 整備 ポルシェ 整備


ポルシェ 整備 ポルシェ 整備


ポルシェ 整備 ポルシェ 整備

表面に付いたオイルの汚れはもちろんのこと、表面が平らに綺麗に磨かれているのがお分かり頂けます。
すべてのパーツに対して丁寧に、ポルシェのエンジンを知り尽くした匠の技です。

明日に続きます。

ポルシェ整備 964エンジン クランクケース組付けのチェックと準備 その1 
2015.11.22

本日より数回に渡ってオーバーホール中のエンジンのクランクケース組付けまでの確認と準備作業をご紹介いたします。本日はクランクケースの左右の接合面の確認作業をご紹介いたします。

ポルシェ 整備

クランクケースを左右の接合面は、両面とも凹凸なく平らな面になっていなければいけません。
ほんのわずかでも凹凸があると、左右のクランクケースがきちんと接合されず、後々その箇所からオイル漏れがする可能性が非常に高くなります。

ポルシェ 整備


そのためムラタチューンでは、凹凸(特に凸)部分がないか接合面の表面を表面を磨きながら丁寧に確認を行っております。
非常に細かく時間のかかる作業ですが、今後ポルシェに長く乗っていただいた際にオイル漏れトラブルの発生を少なくするために必須となる作業です。

ポルシェ 整備


明日に続きます。

ポルシェ整備 928GTS 冷却水の吹き上げトラブルの原因 その2 
2015.11.21

昨日に引き続き、ポルシェ 928 GTSの冷却ファン~ヒューズのトラブルです。

冷却ファン以外のトラブル確認を行ったところ、冷却ファンへの電気を制御するヒューズが熱で熔け、焦げて
いるのが確認できました。ヒューズは助手席の奥に取り付けられています。


ポルシェ 整備


ポルシェ 整備


ヒューズが熔けた原因は、冷却ファンにトラブルが発生したことによって
ヒューズへの負荷がかかり、熱が発生したためです。焦げて黒く変色していることが確認いただけます。

熔けたヒューズは正常に電気が流れなくなるため、冷却ファンへの電気が供給されず、
冷却ファンが回らなくなる原因となっていました。

ポルシェ 整備


今回発生したポルシェ 928 GTSの冷却ファン~ヒューズのトラブルの
一連の流れは以下の通りです。

●冷却ファンにトラブルが発生

●ヒューズに負荷がかかり熱が発生、ヒューズが熔けた

●ヒューズが熔けたことにより、電気が流れなくなり冷却ファンに電力が供給されなくなる

●冷却ファンが回らなくなる

●冷却が十分に行われなかったため、冷却水が吹き上げた


今回のポルシェ 928 GTSはトラブルの発見・修理が早かったため、
ヒューズ・冷却ファンの交換で済みました。

しかしながら、修理せず放置したままだとエンジン本体
にも深刻なダメージを与える恐れがあったトラブルです。

ポルシェ整備 928GTS 冷却水の吹き上げトラブルの原因 その1 
2015.11.20

ポルシェ 928 GTSの冷却ファン~ヒューズのトラブルです。

お客様が今回持ってこられたポルシェ 928 GTSは
「エンジン停止するとエンジンルーム内の冷却水タンクから冷却水が吹き上げてしまう」
という症状が発生しておりました。







詳しく調べてみるとラジエーターに取り付けられている冷却ファンが回転しなくなっていることが確認できました。



ポルシェ 整備



冷却ファンが回らない状態で走行すると走行している間は、走行風がラジエーターにあたるので、冷却効果が期待できますが、停止時には冷却がまったく行われない状態になります。

その結果、冷却水が高温・高圧になり却水タンクから吹き上がってしまっておりました。

明日に続きます。