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ポルシェ整備 964-993 空冷エンジンの最終進化 その2 
2015.12.26

昨日に引き続き、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いから空冷エンジンの進化をご紹介します。

ポルシェ964とポルシェ993のエンジンでは、
カムシャフトから押されるロッカーアームの先に付いたタベットの取り付け方法が異なります。

ポルシェ 整備


ポルシェ964は調整式となっており、エンジンを組む際に定められた位置で締めて固定します。一方のポルシェ993はバルブとのクリアランスを最適に保つよう油圧式となっています。

ポルシェ 整備



仮にカムシャフトが何らかの原因で減って、ロッカーアームのタベット部分を押す力が減っても993の油圧式ですとクリアランスをある程度一定に保つことができます。

明日に続きます。

ポルシェ整備 964-993 空冷エンジンの最終進化 その1 
2015.12.25

本日から数回に渡って、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンのカムハウジング違いから、
空冷エンジンのエンジン技術の進化をご紹介します。


ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いのひとつで、
ロッカーアームとロッカーシャフトにエンジンオイルを供給する方法が異なります。

ポルシェ 整備


ポルシェ964はロッカーアームにエンジンオイルが吹き付けられ、
ロッカーアームのオイル穴に溜まったエンジンオイルがロッカーシャフトに供給されます。

ポルシェ 整備


一方、ポルシェ993はカムハウジングからロッカーシャフトに直接オイルラインが通っており、
ロッカーシャフトからロッカーアームへとエンジンオイルが伝わります。

ポルシェ 整備


ロッカーシャフトの表面に常にエンジンオイルが付着している必要があるので、993ではロッカーシャフトに直接エンジンオイルが供給されるように964からの改良が施されています。

明日に続きます。

ポルシェ整備 964カレラ エンジンオーバーホールで最も時間を割く作業 
2015.12.24

本日は、ポルシェ 964 カレラの3.6リッターのエンジンのカーボン落としをご紹介いたします。
写真のシリンダーヘッドのポルシェ 964 カレラの3.6リッターのエンジンは、
約8万キロもの走行距離を重ねており、表面にカーボンが付き、黒く変色しております。

ポルシェ 整備 ポルシェ 整備

カーボン落としは、ひとつひとつ丁寧に磨き、洗浄を重ねる必要があるため、
エンジンのオーバーホールで一番時間がかかる作業となっております。

ポルシェ 整備

ポルシェ整備 964エンジン エンジンをバランスよくスムーズに回すために 
2015.12.23

ポルシェ 964エンジンの個々のピストンの重量合わせをご紹介いたします。

ピストンの重量は、エンジンをバランスよくスムーズに回すためには、
すべてのピストンが同じ重量であることが望まれます。

そのため、予め定められたピストンの重さを基準にして、その他のピストンを削ります。
写真は、ピストンの裏面を削っているところです。

ポルシェ 整備


ただピストンのどこを削ってもよいというわけではありません。

ピストンの燃焼室側を削るとエンジンの圧縮比が変わってしまうため、
ピストンの裏側など、機能や性能に影響のない部分を削っていきます。

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ポルシェ整備 964カレラ2 トラブル予防のためのRPMセンサーの交換
2015.12.22

本日は、ポルシェ 964 カレラ2のRPMセンサーを通してトラブルの予防整備をご紹介致します。


RPMセンサーはエンジンの回転数を計測するセンサーです。
RPMは「Revolution Per Minute」の略で「1分間の回転数」を意味しています。
RPMセンサーは、フライホイールの回転を元にエンジンの回転数を計測 しています。

ポルシェ 整備


今回お客様が持ち込まれたポルシェ 964 カレラ2のRPMセンサーは、
コードの付け根部分を覆う樹脂でできたカプラーの一部が割れていました。

ポルシェ 整備


現時点ではコードに損傷は見られず、トラブルは出ておりません。
ですが、今後この部分からコードが損傷し、RPMセンサーからコンピュータに
正しい信号が送られなくなるトラブルが発生することが予見できます。

コンピュータは、RPMセンサーで得られた回転数を元に
エンジンの燃料噴射量を導き出しています。

そのため、正常な信号が送られませんとエンジン不調、
または最悪の場合エンジンが始動しなくなる恐れがございます。


このようにムラタチューンでは、現時点でトラブルは出ていなくても、
今後トラブルにつながる要因を洗い出す予防整備を徹底しております。