ポルシェ整備 993・ターボ マニュアルトランスミッションの修理 その6 2017.05.24
引き続き「ポルシェ 993ターボ ミッションの修理」をご紹介していきます。
バックラッシュの確認までご紹介いたしました。
本日は、デフの分解をご紹介いたします。トランスミッションのメインケースから、サイドカバーを取り外したところです。先日ご紹介した内壁と同じように中はデフ、その周りの内壁も真っ黒に変色していいます。
デフを取り外しました。メインシャフトをよく見てみると傷があることが確認できました。
真っ黒に変色したミッションオイルの中にある異物が傷つけたと考えれます。
ポルシェ整備 993・ターボ マニュアルトランスミッションの修理 その5 2017.05.23
引き続き「ポルシェ 993ターボ ミッションの修理」をご紹介していきます。
ミッションの作動確認までご紹介いたしました。
続いてバラす前の作業としまして、以前ご紹介したピニオンとリングギアのバックラッシュの測定 を行います。
バックラッシュはギアとギアのかみ合わせ部分にできるわずかな隙間のことで、これが定められた数値になっていないと力のロスが発生したり、ギアを痛めてしまう原因となります。
バックラッシュを測定したところ、基準値の2倍の数値になっていることがわかりました。
ピニオンまたはリングギア、もしくはその両方が摩耗具合していることがわかります。
明日に続きます。
ポルシェ整備 993・ターボ マニュアルトランスミッションの修理 その4 2017.05.22
引き続き「ポルシェ 993ターボ ミッションの修理」をご紹介していきます。
フロントケースの取り外しまでご紹介いたしました。
これからトランスミッションをバラシしていく前に必ずミッションの作動確認を行います。
シフトフォークを支持するシャフトを手動で操作し、1速→2速→3速→4速→5速→6速のシフトアップ、
そしてその逆のシフトダウン、バックギアとスムーズに変速可能かどうか確認します。
明日に続きます。
ポルシェ整備 993・ターボ マニュアルトランスミッションの修理 その3 2017.05.21
引き続き「ポルシェ 993ターボ」をご紹介していきますが、
本日はミッションの修理ではなく、診断中に見つかった不適切な箇所をご紹介します。
今回、お客様が持ち込まれたポルシェ 993 ターボを診断するとパーツが誤って
取り付けられていたり、破損しているなど不適切な箇所が数多く見られました。
以前に整備された際、ポルシェの知識がないところで整備されたことが原因と考えられます。
代表的な例を下記で紹介いたします。
■1.左リアタイヤハウス内のカバー
左リアタイヤの覆うタイヤハウス内のカバーです。写真から割れていることが御覧いただけます。
これは走行中などにできた破損ではなく、以前に整備されたときに割れたものと考えられます。
■2.リアバンパー内側にある遮熱板
リアのバンパーを外したところです。赤丸の部分は遮熱板の取付方法が間違っています。
図をご覧ください。遮熱板が上下逆に取り付けられていることがご確認いただけます。
ポルシェ整備 993・ターボ マニュアルトランスミッションの修理 その2 2017.05.20
昨日に引き続き「ポルシェ 993ターボ ミッションの修理」をご紹介していきます。
昨日はフロントケースの接合面からのオイル漏れまでご紹介いたしました。
トランスミッションのパーツを順番に取り外していく前にトランスミッション内に残ったミッションオイルを抜く必要があります。写真はトランスミッション下部にあるドレーンボルトからミッションオイルを抜いているところです。
溜まったオイルをご覧ください。本来は黄金色をしているはずのミッションオイルが、真っ黒に変色しているのがご確認いただけます。
続いてトランスミッションのケースの内壁の写真をご紹介します。こちらも本来であれば、外壁と同じ銀色の表面をしているはずですが、ミッションオイルと同じように真っ黒に変色しています。
以上のことから、トランスミッションの内部で何らかのトラブルが発生していることがわかります。
明日に続きます。