ポルシェ整備 993・エンジン 修理箇所の診断〜症状紹介〜修理 その2
2017.09.25
引き続き、ポルシェ 993に搭載された最後の空冷エンジンの診断・修理をご紹介いたします。
昨日交換を行ったプラグコードに繋がっているディストリビューターです。ディストリビューターはイグニッションコイルから送られる高ボルトの電流を、各シリンダーコンバータに分配するとても重要な役割を担うパーツです。
ポルシェ 993のエンジンではインテーク側とエキゾースト側の2つのディストリビューターが付いたツインプラグになっています。これは燃焼効率を良くするためであるとともに、燃え残ったガスを燃やしマフラーから排出される排ガスをクリーンにする効果もあります。
明日に続きます。
ポルシェ整備 993・エンジン 修理箇所の診断〜症状紹介〜修理 その1
2017.09.24
本日より、ポルシェ 993に搭載された最後の空冷エンジンの診断・修理をご紹介いたします。
本日はまずは診断の際に見つかったプラグコードのひび割れの修理・交換を行います。プラグコードはゴム製のパーツのために、ほかのパーツに比べ劣化しやすく、ひび割れ等が起りやすいパーツのひとつです。
ひび割れたプラグコードを交換せずにそのまま使用し続けていくと、水分などが付着した際にリークを起こしてしまう恐れがあります。劣化したプラグコードはディストリビューターのキャップを除き、すべて新品に交換します。
明日に続きます。
ポルシェ整備 993・エンジン キャタライザー遮熱板の錆止加工
2017.09.23
ポルシェ 993のエンジンのキャタライザーをカバーする遮熱版です。
表面に付いた錆を落としていきます。シルバーのキャタライザー遮熱版表面の薄ら黒ずんでいる部分が腐食箇所となります。
チェーンハウジングと同様に遮熱版の表面を磨いて錆を落とし、錆止めを塗ってから塗装を行います。修理と同時に、錆の侵攻を防いで今後もキレイに乗っていただけるよう丁寧に作業を行います。
ポルシェ整備 993 タイロッドの経年劣化の症状例
2017.09.22
本日はポルシェ 993のタイロッドの経年劣化の症状をご紹介いたします。
以前もご紹介したことのあるタイロッド は、ハンドル操作に合わせてフロントタイヤを左右に動かすために、ステアリングラックからアップライトまでを繋ぐパーツです。
今回お客様の持ち込まれたポルシェ 993のタイロッドには、経年劣化による性能低下がみられました。
まずはタイヤ側にあるゴムダンパーが傷んでいることがご確認いただけます。
続いて車体側のピロボール部分にもダメージが見られます。
この2つの症状とも経年劣化によるもので、新品のタイロッドに交換いたしました。
ポルシェ整備 993・エンジン 走行不足によるカムシャフトの虫食い
2017.09.21
テーマ:ブログ
本日は、あまりポルシェに乗らなかったことによるエンジンの虫食いをご紹介いたします。
写真は、お客様が持ち込まれたポルシェ993のエンジンのロッカーシャフトとロッカーアームを見たところです。
取り外してカムシャフトを見ると表面に大きな傷があることが確認できました。
これは「虫食い」と呼ばれるトラブルで、エンジンを十分に動かしていなかったために、
カムシャフトの表面からオイルコーティングが取れ、表面が腐食してしまいます。
カムシャフトは磨くことができませんので、新品に交換しました。
このようにポルシェは適度にエンジンをかけ、走行してあげることも長くトラブルなく乗る秘訣の一つです。