新着情報

ポルシェ整備 993・ターボ 足回り熱膨張によるハブベアリングの組み付け      
2017.12.26

ポルシェ993ターボの足回りの修理をご紹介いたします。
ハブベアリングのアップライトへの組み付けを行います。

写真をご覧ください。これがハブベアリングです。
ハブベアリングは、ホイールを固定するセンターハブとアップライトの間に組み付けられており、
ホイールをスムーズに回転させながらも、しっかりと車体に固定することができる仕組みとなっています。
 
ポルシェ 整備

ハブベアリングのアップライトへの組み付けにはヒートガン等を使ってアップライトに十分な熱を加え、
組み付け部をハブベアリングの直径以上に熱膨張させます。
 
ポルシェ 整備


アップライトの温度が下がると金属が収縮し、自然にハブベアリングを締め付けるため、
強固に固定することができます。
 

ポルシェ整備 993・カレラS ホーンが鳴り止まないときは    
2017.12.25

 本日は、ポルシェ 993 カレラSのホーンが鳴りやまないトラブルをご紹介いたします。

今回お客様が持ち込まれたポルシェ 993 カレラSは一度ホーンを鳴らすと音が鳴りやまなかったり、
症状が酷い場合は、ホーンを押していないにも関わらず車の振動で音が鳴るような状態になっておりました。

 
ポルシェ 整備

ハンドルを開けて原因を探ったところ、ハンドルの中にある「ホーンパッドプレート」が原因であることがわかりました。ホーンパッドプレートはエアバック付のポルシェにあり、写真のようにハンドルの中に取り付けられています。
 
ポルシェ 整備 ポルシェ 整備


ホーンパッドプレートを裏返して写真を撮りました。
ハンドルに固定される部分がゴムブッシュになっており、ハンドルを押すとホーンパッドプレートが奥に向かって押し込まれ、裏側に付いた電極と車体側についた電極が触れ合って、ホーンが鳴る仕組みとなっております。
 
ポルシェ 整備  ポルシェ 整備



今回のポルシェ 993 カレラSはゴムブッシュの部分が劣化しており、ちょっとした振動で電極同士が触れ合う状態になっておりました。
エアバック付の車で、同様の症状がみられる場合はホーンパッドプレートのトラブルの可能性が高いと思われます。一度点検に出されてみてはいかがでしょうか。

ポルシェ整備 964・エンジン 合理的に設計された964のエンジン その2       
2017.12.24

昨日に引き続き、ポルシェのエンジンがいかに合理的に設計されているか、をご紹介いたします。


昨日のブログでボルト穴がオイルラインを兼ねているとご紹介しましたが、
アンカレージボルト(スルーボルト)とエンジンブロックの間からエンジンオイルが漏れることが無い様、
Oリングが取り付けられ、隙間を密封します。
 
ポルシェ 整備


このOリングはゴムでできているため、年月の経過によって劣化しやすいパーツになります。劣化したOリングは密閉性が無くなってしまうことから、エンジンオイルが漏れやすくなります。ここはポルシェのエンジンの中でトラブルの原因となりやすい個所となります。

 
ポルシェ 整備

ポルシェ整備 964・エンジン 合理的に設計された964のエンジン その1       
2017.12.23

ポルシェ 964の空冷エンジンを通してポルシェのエンジンが

いかに合理的に設計されているか、をご紹介いたします。

写真は、ポルシェ 964のクランクケースへアンカレージボルト(スルーボルト)を通した状態です。
写真を見て頂くとクランクケースとアンカレージボルトの間に隙間があるのが確認できます。
 
ポルシェ 整備

この隙間はエンジンオイルが流れる個所となります。
もう少し詳しく書くと、ポルシェのエンジンでは、ボルト穴がオイルラインを兼ねているのです。
 
ポルシェ 整備  ポルシェ 整備

下の写真はオイルラインに懐中電灯を当てています。ボルト穴を見ると光が漏れ、
オイルラインとボルト穴が繋がっていることが確認できます。


このようにポルシェのエンジンは、合理的に設計されています。

ポルシェ整備 993・エンジン インテークの変形原因と修理 その2      
2017.12.22

本日は、ポルシェ 993のエンジンの診断・修理を行います。ブーツから取り外したインテークをチェックすると上部が変形していることが確認できました。
引き続き、ポルシェ 993のエンジンのインテークの診断・修理を行っていきます。

インテークは、シリンダーヘッドに取り付けられたままでは見えない下部の部分にヒビが入るトラブルが頻繁に発生します。
 
 


まずは点検鏡を使用して、取り付けた状態で上部からは見えないインテーク下部のチェックを行っていきます。何らかの異常が見受けられるとインテークをシリンダーヘッドから外して実際に確認を行います。
 
 


今回のポルシェ 993のエンジンにはヒビは発生しておりませんでしたが、ヒビが発生したインテークは写真のようになります。
 
ポルシェ 整備