ポルシェ整備 993 エンジンのインテークの変形原因 その1
2013.07.21
本日は、ポルシェ 993のエンジンの診断・修理をご紹介いたします。
ブーツから取り外したインテークをチェックすると上部が変形していることが確認できました。
インテークにつきましては、以前にご紹介しましたがエアクリーナーから吸われた空気を密閉された状態でシリンダーヘッドに送り込むものであるため、このように変形してしまうとブーツと変形したインテークの間にできた隙間から余分な空気が入ってしまう恐れがあり、トラブルのもととなります。
考えられる要因としましては「熱による変形」または、「ブーツを締める際に必要以上の力が加わったこと」が考えられます。
明日に続きます。
ポルシェ整備 964 カムハウジングの砂の発生原因
2013.07.20
本日はエンジンのカムハウジングの表面に現れる砂や異物の除去をご紹介いたします。
写真はポルシェ964のエンジンのカムハウジングです。
表面を拡大した。写真をご覧ください。表面が粉をふいたように灰色に変色していることがわかります。
この灰色の粉上の物体の正体は砂などの異物です。
エンジン内のパーツになぜ砂?と思われるかもしれません。
エンジンのカムハウジングは鋳型といって型と型を合わせ、そこに金属を流し込んで製作する方法で作られます。
型は繰り返し使用されるため、回数を重ねる度に型の中にある砂が微量ながらエンジンのパーツの中に入ってしまうため、このように砂が発生するのです。
ポルシェ整備 964 マグネシウム独特のサビ その2
2013.07.19
昨日に引き続き、ポルシェ 964 カレラ2のエンジンのチェーンカバーからのオイル漏れをご紹介します。
凹凸になった錆をすべて除去し、洗浄を行いました。
粉上になった錆や凹凸部分が無くなっていることがご確認いただけます。
このまま液体のパッキン交換をおこなって、チェーンカバーを取り付けますが、
ムラタチューンでは、再び錆が発生するのを予防するため、サビ止め塗装を行ってから、取り付けております。
ポルシェ整備 964 マグネシウム独特のサビ その1
2013.07.18
ポルシェ 964 カレラ2のエンジンのチェーンカバーからのオイル漏れをご紹介します。
車体からエンジンを取り外しましたところの写真です。チェーンカバーは赤丸の部分となります。
チェーンカバーからオイル漏れしていることが確認できます。
チェーンカバーを取り外しました溝のようになっている部分をご覧ください。
凹凸ができているのをご確認いただけます。この凹凸部分は錆です。
チェーンカバーはマグネシウムで製作されているため、鉄などとは異なり、このような錆となります。
凹凸部分の表面を削り取ると粉上になった錆が出てきました。
ポルシェ整備 ガソリンの匂いがするときのチェックポイント
2013.07.17
本日は、どの車種であっても必ず取り付けられてるガソリンタンクのフューエルタンクキャップ(給油口キャップ)の劣化をご紹介いたします。
写真は車体から取り外して裏側を見た給油口キャップです。
黒い部分は密閉性を保つためのゴム製のOリングとなっています。
Oリングをよく見るとひび割れが確認できます。給油の度に開閉され変形し、
また経年劣化によりゴムが硬化するとこのようにヒビ割れを起こします。
このヒビ割れ部分からガソリン漏れが発生しているポルシェをたまに見かけます。
ガソリンを満タンにし、キャップを閉めて少し待ったあとまだガソリンのニオイが残っている場合、
ガソリンが漏れている可能性があります。もしガソリンのニオイがした場合は、一度点検されてみてはいかがでしょうか。