新着情報

ポルシェ整備 964カレラ2 マグネシウム独特のサビ その1  
2016.01.21

ポルシェ 964 カレラ2のエンジンのチェーンカバーからのオイル漏れをご紹介します。
車体からエンジンを取り外しましたところの写真です。チェーンカバーは赤丸の部分となります。
チェーンカバーからオイル漏れしていることが確認できます。


チェーンカバーを取り外しました溝のようになっている部分をご覧ください。
凹凸ができているのをご確認いただけます。この凹凸部分は錆です。


チェーンカバーはマグネシウムで製作されているため、鉄などとは異なり、このような錆となります。
凹凸部分の表面を削り取ると粉上になった錆が出てきました。

ポルシェ 整備


明日に続きます。

ポルシェ整備 964エンジン 空冷エンジン独特の特徴  
2016.01.20

本日は、ポルシェ 964の空冷式のエンジンの特徴についてご紹介致します。

空冷式のエンジンは、その名の通り、走行風をエンジンルーム内に取り入れ、直接エンジンを冷却する方式です。

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したがってエンジンの表面が空気に触れる部分が多ければ多いほど、冷却効果が高まります。
少しでも空気に触れる面積・・・表面積を増やすため、シリンダーヘッドの外側には写真のようなフィンが付いています。

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空冷エンジンの特徴のひとつです。

ポルシェ整備 964カレラ2 ハイパワー車独特のクラッチ   
2016.01.19

本日は、ポルシェ964など軽量でハイパワー車独特のクラッチのつなぎ方をご紹介いたします。

写真は、ポルシェ 964 カレラ2のクラッチです。

ポルシェ 整備 ポルシェ 整備


ポルシェは車重が軽く、エンジンパワーがあるため、スタート時にアクセルを吹かしてクラッチをつなぐ必要がなく、アイドリング状態でクラッチをつなげます。

ポルシェで一般的なマニュアル車と同様にアクセルを吹かしてクラッチをつなげると余計な負荷がかかり、クラッチを痛めてしまいます。

一般的なマニュアル車では
「アイドリング⇒アクセルを吹かす⇒半クラッチ⇒車が動きだす⇒クラッチをつなげる」

というスタート手順となりますが、ポルシェは
「アイドリング⇒半クラッチ⇒車が動き出す⇒クラッチをつなげる⇒アクセルをふむ」

という発進手順となっています。

ポルシェ整備 964エンジン クランクケースの組付けチェック その3 
2016.01.18

本日もオーバーホール中のエンジンのクランクケース組付けまでの確認と準備作業をご紹介いたします。
下記の写真は、オイルラインの洗浄作業を行っているところです。


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ポルシェのエンジンは、スルーボルトの穴がエンジンオイルの通り道となるオイルラインを兼ねているため、
中に溜まったカーボンを丁寧に落としていきます。

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エンジンのオーバーホールは、多くの作業時間を個々のパーツの洗浄に割きます。
オーバーホールの作業を大きく区分けいたしますと

【車体からエンジンを取り外後】

分解→【洗浄】→測定

【クランクケース単品】

【洗浄】→点検→加工(接合面などの磨き)→仕上げ→【洗浄】


となり多くの作業時間を【洗浄】に割いていることがお分かりいただけます。

この洗浄こそが、オーバーホール後トラブルなく長くポルシェを乗っていただくための秘訣のひとつです。

ポルシェ整備 964エンジン クランクケースの組付けチェック その2 
2016.01.17

本日もオーバーホール中のエンジンのクランクケース組付けまでの確認と準備作業をご紹介いたします。

クランクケースの各合わせ面の砥石を使って丁寧に磨く前と後の比較写真をご覧ください。
それぞれ左が前、右が後の写真となります。

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表面に付いたオイルの汚れはもちろんのこと、表面が平らに綺麗に磨かれているのがお分かり頂けます。
すべてのパーツに対して丁寧に、ポルシェのエンジンを知り尽くした匠の技です。

明日に続きます。