新着情報

ポルシェ整備 964と993の違いに見る空冷エンジンの進化 その2     
2017.05.14

昨日に引き続き、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いから空冷エンジンの進化をご紹介します。

ポルシェ964とポルシェ993のエンジンでは、
カムシャフトから押されるロッカーアームの先に付いたタベットの取り付け方法が異なります。
 

ポルシェ 整備



ポルシェ964は調整式となっており、エンジンを組む際に定められた位置で締めて固定します。一方のポルシェ993はバルブとのクリアランスを最適に保つよう油圧式となっています。
 

ポルシェ 整備




仮にカムシャフトが何らかの原因で減って、ロッカーアームのタベット部分を押す力が減っても993の油圧式ですとクリアランスをある程度一定に保つことができます。

明日に続きます。

ポルシェ整備 964と993の違いに見る空冷エンジンの進化 その1     
2017.05.13

本日から数回に渡って、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンのカムハウジング違いから、

空冷エンジンのエンジン技術の進化をご紹介します。


ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いのひとつで、
ロッカーアームとロッカーシャフトにエンジンオイルを供給する方法が異なります。
 
ポルシェ 整備


ポルシェ964はロッカーアームにエンジンオイルが吹き付けられ、
ロッカーアームのオイル穴に溜まったエンジンオイルがロッカーシャフトに供給されます。
 
ポルシェ 整備


一方、ポルシェ993はカムハウジングからロッカーシャフトに直接オイルラインが通っており、
ロッカーシャフトからロッカーアームへとエンジンオイルが伝わります。
 
ポルシェ 整備


ロッカーシャフトの表面に常にエンジンオイルが付着している必要があるので、993ではロッカーシャフトに直接エンジンオイルが供給されるように964からの改良が施されています。

明日に続きます。
 

ポルシェ整備 993 エンジンの遮熱版の錆止め加工     
2017.05.12

ポルシェ 993のエンジンのキャタライザーをカバーする遮熱版です。

表面に付いた錆を落としていきます。シルバーのキャタライザー遮熱版表面の薄ら黒ずんでいる部分が腐食箇所となります。
 
ポルシェ 整備


チェーンハウジングと同様に遮熱版の表面を磨いて錆を落とし、錆止めを塗ってから塗装を行います。修理と同時に、錆の侵攻を防いで今後もキレイに乗っていただけるよう丁寧に作業を行います。
 
ポルシェ 整備
 

ポルシェ整備 964/993 燃料タンク内のフィルター
2017.05.11

ポルシェ 964、ポルシェ 993の燃料タンク内にあるもうひとつのフューエルフィルターをご紹介します。

フューエルフィルターというと通常は、エンジンルームの中にあるものを指します。写真中央、銀色のパーツがフューエルフィルターです。
 
ポルシェ 整備


ポルシェ 964、ポルシェ 993には、燃料タンクから燃料を外に出す穴の部分がフューエルフィルターの形状をしており、この部分である程度粒の大きい塵を除去します。
 
ポルシェ 整備


ポルシェ 964、ポルシェ 993の燃料タンクからエンジンまでの燃料の供給ルートをご説明しますと

【燃料タンク→燃料ポンプ→フューエルフィルター→エンジン】

という流れで、エンジンに燃料が送られます。

燃料タンクと燃料ポンプの間にはフューエルフィルターがないため、燃料ポンプに粒の大きい塵が入らないように考えられて設計されています。

ポルシェ整備 996・カレラ ブローバイバルブからのオイル漏れ修理   
2017.05.10

ポルシェ 996 カレラのエンジンのブローバイバルブからのオイル漏れの修理を行います。ブローバイバルブはエンジンルーム右リア奥に取り付けられています。

 
ポルシェ 整備


ブローバイバルブは、クランクケース内等に溜まる「ブローバイガス」の圧力を一定に保つためのものです。このブローバイガスの中には、エンジンオイルの他にガソリンが混じっており、それがオイル漏れの原因となります。
 
ポルシェ 整備


オイル漏れを防ぐためには、定期的にサーキットなどで高速走行を行う等、エンジンを十分に温める(油温を上げる)必要があります。そうすればブローバイガスの中からガソリンが蒸発してなくなるため、トラブルの発生を防ぐことができます。