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964 クーリングファンプーリーの変形
2018.12.02

964のクーリングファンの取り外しを行なったところ、ファンプーリーに変形が見受けられました。

 

画像の通り、このプーリーは二枚重ねで使用し、中のシムの枚数を変えることで、ベルトの張りを調節できる仕組みになっています。

 

ストレートエッジを当てて確認した様子です。反対側から光を当てているのですが、変形している為、光が漏れているのが分かります。
このように接触面が変形していると、当初想定していたシムの厚さよりもプーリー溝の幅が広く取られてしまい、ベルトの張力を適切に調整することができなくなります。その結果、ベルトの伸びが発生した際に調整範囲を超えてしまい、プーリーとベルトの滑りが発生し、異音を発生したりベルトが摩耗したりします。

変形と聞くと、組み付けミスを連想する方が多いと思いますが、この場合は製造時の加工や仕上げ手順に問題があったと考えられます。
このような薄肉の部品は、金属板に型を押し付けて打ち抜く手法で製造されています。恐らく、型の設計が悪く打ち抜き時の力で変形したのでしょう。最近製造されたプーリーによく見受けられます。

一度変形させた金属は加工硬化しており、かつこのように小さな部品ですと固定して曲げ直すのも容易ではありません。
また、汎用旋盤で接触面をさらうのも固定が難しいことから、今回は平面を出したブロックに紙やすりを貼り付け、接触面の平面を出しました。
中心軸に対して平面が直角でない!との意見があるかもしれませんが、この部品の精度やベルトのプーリーに用いる用途から鑑みて充分な手法だと判断します。

 

接触面を改善する事ができました。
洗い油で洗浄し組み付けます。


他にも様々なトラブルが発見されたので、後日紹介させていただきます。

 

 

 

 

 

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