ポルシェ整備 993 ステアリングラック・スラントゴムとラックブーツの交換 2016.06.05
ポルシェ993のステアリングラックです。スラントゴムとラックブーツの交換を行います。
スラントゴムは、ステアリングを切るとゴム自体が寄れてステアリングを支える支点になる非常に重要なパーツです。スラントゴムが劣化してしまうと異音やステアリングを切った際にハンドルが切りにくくなるなどの症状が発生します。
一方ラックブーツは、オイルで満たされたステアリングラックの中に塵が侵入するのを防止するパーツです。
車体下のこの部分は非常に塵が入りやすく、ラックブーツが劣化してしまうと大量の塵がステアリングラックの中に入り、ステアリングラックを痛めてしまいます。
ステアリングラックは非常に高価なパーツのため、壊れてしまうと修理費が高額になってしまいます。「予防整備」という観点からも早めの交換をおすすめしています。
ポルシェ整備 928GTS 冷却ファン〜ヒューズのトラブル修理 その2 2016.06.04
昨日に引き続き、ポルシェ 928 GTSの冷却ファン~ヒューズのトラブルです。
冷却ファン以外のトラブル確認を行ったところ、冷却ファンへの電気を制御するヒューズが熱で熔け、焦げて
いるのが確認できました。ヒューズは助手席の奥に取り付けられています。
ヒューズが熔けた原因は、冷却ファンにトラブルが発生したことによって
ヒューズへの負荷がかかり、熱が発生したためです。焦げて黒く変色していることが確認いただけます。
熔けたヒューズは正常に電気が流れなくなるため、冷却ファンへの電気が供給されず、
冷却ファンが回らなくなる原因となっていました。
今回発生したポルシェ 928 GTSの冷却ファン~ヒューズのトラブルの
一連の流れは以下の通りです。
●冷却ファンにトラブルが発生
↓
●ヒューズに負荷がかかり熱が発生、ヒューズが熔けた
↓
●ヒューズが熔けたことにより、電気が流れなくなり冷却ファンに電力が供給されなくなる
↓
●冷却ファンが回らなくなる
↓
●冷却が十分に行われなかったため、冷却水が吹き上げた
今回のポルシェ 928 GTSはトラブルの発見・修理が早かったため、
ヒューズ・冷却ファンの交換で済みました。
しかしながら、修理せず放置したままだとエンジン本体
にも深刻なダメージを与える恐れがあったトラブルです。
ポルシェ整備 928GTS 冷却ファン〜ヒューズのトラブル修理 その1 2016.06.03
ポルシェ 928 GTSの冷却ファン~ヒューズのトラブルです。
お客様が今回持ってこられたポルシェ 928 GTSは
「エンジン停止するとエンジンルーム内の冷却水タンクから冷却水が吹き上げてしまう」
という症状が発生しておりました。
詳しく調べてみるとラジエーターに取り付けられている冷却ファンが回転しなくなっていることが確認できました。
冷却ファンが回らない状態で走行すると走行している間は、走行風がラジエーターにあたるので、冷却効果が期待できますが、停止時には冷却がまったく行われない状態になります。
その結果、冷却水が高温・高圧になり却水タンクから吹き上がってしまっておりました。
明日に続きます。
ポルシェ整備 964エンジン オーバーホール前のトラブル箇所診断 2016.06.02
エンジンのオーバーホールにあたって、トラブル箇所の診断を行っていきます。写真はエンジンの下からの1枚。エキゾーストマニホールドとエンジンブロックの間から、シリンダーヘッドが3つ確認できます。左側のシリンダーヘッド(6番シリンダー)が右の2つのシリンダーヘッドと異なり、黒く変色していることが見えます。
したがいましてこの6番シリンダーヘッド付近からエンジンオイルが漏れていると診断されます。しかし実際にどこから漏れているのかは、この状態ではわかりません。トラブルの箇所を正確に特定するためには実際にエンジンを分解し、シリンダーヘッド内部に圧力をかけるリークテストでトラブル箇所を正確に特定します。ポルシェ整備 993 エンジンのキャタライザーの遮熱版の腐食修理 2016.06.01
ポルシェ 993のエンジンのキャタライザーをカバーする遮熱版です。
表面に付いた錆を落としていきます。シルバーのキャタライザー遮熱版表面の薄ら黒ずんでいる部分が腐食箇所となります。
チェーンハウジングと同様に遮熱版の表面を磨いて錆を落とし、錆止めを塗ってから塗装を行います。修理と同時に、錆の侵攻を防いで今後もキレイに乗っていただけるよう丁寧に作業を行います。