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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 323
2010.12.24

メリー・クリスマス、クリスマス・イブを迎えるヨーロッパの街は昨日までのような賑わいは、なりを潜め一転し静かな夜を迎えます。家族が自宅に集いイブを楽しむようです。12月にドイツを訪れると美しいデザインで厚手の紙に印刷されたクリスマスにちなんだアドベントカレンダーを店頭で見かけます。多様なサイズがあり、絵のそこかしこに数字が印刷され、その箇所の切り込みを窓を開くように空けクリスマス・イヴまで、あと何日と楽しむ志向です。キリスト教の降誕祭クリスマス前の約4週間のことをいい4回の日曜日が含まれるそうです。背後のビルも同じデザインで道行く人を楽しませてくれます。レストランの椅子も食事をより美味しくする演出をしています。

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「ニュルブルクリンク」近くのいつも食事を作ってもらっているイタリアンレストラン「ラ・ランテルナ」のオーナーの自宅に招かれた時、5才になるお嬢さんの手作りのセント・ニコラウスが庭に飾ってありました。一般家庭は皆さんこんな飾り付けをしてクリスマスイブまで家族で楽しんでいるようです。
夕闇が迫る昨年のシュツットガルトのクリスマス市です。大きな樅の木にイルミネーションがともり夕空に映え美しく輝いています。

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溢れんばかりの人がクリスマス市を楽しんでいます。小さな楽団員も指揮者のタクトに合わせ一生懸命演奏し、クリスマス市の雰囲気を盛り上げています。小さい頃から、こうした経験をして成長することは、とても素晴らしいことではないでしょうか。演奏をしている子供達は自発的に参加していて、特定に選ばれた子供達ではないそうです。

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去年のクリスマスは同じ時期、雪はなく光のページェントがシュッツガルトのクリスマス市を訪れた人々を楽しませてくれました。

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雪の後、寒さは一段と厳しく、暖かいチーズやお菓子の露店が軒を連ねる今年のミュンヘンのクリスマス市です。ワインや何種類ものお茶を売る店もあります。

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7月に訪れた時は一面黄色の菜の花畑でしたが、今は果てしなく雪原が続き雪原の先に見えるはずのニュルブルク城も垂れ込めた雲で見えません。12月突然雪を降らせた大寒波が現在もヨーロッパ全域を覆いつくし交通機関に影響が出ています。「ムラタチューン」に入荷する予定のパーツの一部が遅延し、今年中の着荷が難しく修理の予定が付かなくなりました。

今夜から日本列島も今冬最も強い寒波に覆われるようです。1ヶ月後に開催する「ポルシェ ウィンター トレーニング」に向けての素晴らしいクリスマスプレゼントです。この寒波で会場の八千穂レイクも結氷し新春の試走がかなうでしょう。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 322
2010.12.23

10月28日(木)ポルシェAG主催の「ポルシェ スポーツ ドライビング スクール」2日目10時を少し回った曇天の「ニュルブルクリンク ノルドシェライフェ」です。雲は低く垂れ込め雨こそ降っていませんが、晴れることはなく西からの風は南に変わり天候の崩れは収まっています。気温は相変わらず7℃ですからコースはウェットのままです。

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参加申し込み時点の第5グループのインストラクターは「ポルシェクラブ六本木」がいつも招聘している新車開発のテストドライバー、ヨッシー・ヒンデンブランドさんでしたが、急遽ジョーン・ブラックさんに交代しました。彼とは初対面でしたが気さくで親切です。参加者の質問に丁寧に応えグループの一人一人に声を掛けています。参加車輌を9グループに分け第5グループはその中間でしたから、ツーリスト走行口付近のレストランとトイレに最も近い位置が待機場所でしたから、休憩時は便利で好都合でした。
ツーリスト走行時の「ノルドシュライフェ」のコース案内と時間が表示された電飾板の左下に晴れていれば見える「ニュルブルク城」が垂れ込めた雲で見えません。

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合流後すぐ「ノルドシュライフェ」を1周し、ウェットコースの路面状況とミシュランSタイヤ、パイロットスポーツカップの走行具合を確認しました。「マンタイレーシング」のオラフ・マンタイさんがウェットでのパイロットスポーツカップは危険だから止めるのが賢明だと言っていましたから、このタイヤでの「ノルドシュライフェ」の走行は不安で恐怖すら感じ迷いました。走行方法はカルガモ方式です。昨年5月に開催されたスパルタンなカリキュラムを期待して参加したのですが、今回は「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の初体験者向け走行と思われるほどに慎重な走行でした。そのお陰でウェット路面でも危険を感じることなく周回を重ねることができました。

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望遠で捉えたカルガモ走行の模様です。ドッティンガーホーエのアウディーの看板を通過し20kmの看板付近でトップを走るインストラクター、ジョーン・ブラックさんの後に続きカルガモ走行をした2台が速度を落とし右側に退避した後、グループの最後尾に後退することで後続車輌が自然と繰り上がってきます。最後尾に回った車輌はヘットライトを点灯し、グループ最後尾であることをトップで走行するジョーンさんが確認できるようにし、車輌間隔をできるだけ詰めて周回を重ねます。一周で20.832kmありますから休憩したい参加者は、グループの表示がされた所定の場所に車を止めいつでも休めます。ツーリスト走行時の赤い外壁のレストラン“デビル ディナー”には、いつでもボリューム感たっぷりのケーキや果物、菓子と飲み物が置かれています。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 321
2010.12.22

「マンタイレーシング」の車庫はゲートを入って直ぐ左、半円形の屋根を持ち、3面ガラス張りのモダンな建物です。23台の車輌が既に冬眠に入っています。全車輌ボディーカバーが掛けられ、21℃の常温で保管されています。アイフェル高地は、夏の日本の様に高温多湿にならず車の保管には適しているかも知れません。しかし保管してあるだけだと、どうしてもバッテリーの寿命が短くなり、電圧が低下した場合エンジンが始動できません。写真の充電器は理論値の12.7Vに保つようチャージャーし、常に一定容量にすることでバッテリーの劣化を防止し、いつでもエンジンの始動ができます。

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電源は家庭用のコンセントから取り、鰐口をバッテリーのターミナルにつぐだけで、いつでも不安なくエンジンを始動することができるので心強いです。急な外出でセルモーターが回らない時ほどフラストレーションを感じることはありません。そんな用心のため、あまり乗らない車は常時つないでおき、出庫時に鰐口を外しセルを回すだけで安心できるのでしたら、考えようで安いのではないでしょうか。「マンタイレーシング」で冬眠中の全車輌に装着されています。
ご入用の方は、同一機種のご提供ができます。ご一報下さい。

ヘルメットを車に入れたままで、取りに来たついでにバッテリーチャージャーのことを気付いたので記載しました。

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アクセルペタルのかさ増しと6点式シートベルトの装着が終わり、9時から開始した2日目の「ポルシェ スポーツ ドライビング スクール」に合流したのは1時間遅れの10時少し過ぎでした。「ニュルブルクリンク ノルドシュライフェ」のツーリスト走行口からコースに合流する辺りを先頭にコースからの出口付近まで9グループがコース両脇に1列に約10台並びセンターは広く確保し、通り抜けのスペースを確保しています。「ノルドシュライフェ」の直線に入る前の最終コーナー19kmポスト、シュヴァルベンシュヴァンツからドッチンガーホーエのアウディーの看板を経てツーリスト走行出口までの遠景です。「ノルドシュライフェ」のコースは一段高い中央を地形のまま利用し、両脇の一般道は高低差をなくしているのがうかがえます。撮影地点からだと約2.2kmの直線であっても相当の高低差のあるのが良く分かります。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 320
2010.12.21

12月2日以後の「ポルシェパラノイア 311」のブログの続きに戻らせて頂きます。
初日、グランプリコースを使用しての「ポルシェ スポーツ ドライビング スクール」は、昼食時間の13時過ぎから約1時間霧雨が降りコースはウェットとなりましたが、その後持ち直し15時頃から再びコースはドライとなり、天候は何とか一日保ちました。午後は15分間フリー走行後30分の休憩タイムのスケジュールに変更となり、グランプリコースを3回フリー走行ができたのは楽しかったです。お陰で4,000回転の馴らし運転も兼ねることができました。

「ポルシェ スポーツ ドライビング スクール」二日目の朝8時前です。昨夜降った雨は上がり、今朝は何とか曇り空を保っていますが、気温はいぜん7℃で上がりません。今日は待望の「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」のトレーニングです。受付を済ませた後「ポルシェ997TR2RS」に6点式シートベルトを装着するため途中でブリーフィングを抜けることとトレーニング開始時間に遅れる旨、チャーミングな担当者に伝え今日のスケジュールの再確認をし退席しました。

ブリーフィングはドイツ語圏と英語圏、別の部屋で行われます。簡単な挨拶の後、直ぐに開始しました。

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プロジェクターを使用しての説明ですが、要約するとブレーキの使い方とアクセルワークをしっかりと覚えて下さいとの主旨でした。今日行われる「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」のトレーニングはこの使い分けに尽きます。その理由を以下に記ます。 

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上の写真右側、プロジェクターの画像でお解りのようにコース進入時のブレーキからハーフブレーキの後、次は真綿で絞めるような微妙なアクセルの使い分けを色の濃淡で表しています。「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」は微妙なブレーキとアクセルワークを駆使しての走行が特に重要です。
路面変化が多様な上、左右のみならず上下、その先の見えない、いわゆるブラインドコースに加え、今日のようなウェットの路面でRRのポルシェをコントロールするのは容易ではありません。特に5.5kmポスト後半から8kmポストまでは連続の急な下りが続き、微妙なブレーキとアクセルの使い分けに尽きます。

「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の約5.5kmポスト以降のコース概要を説明しますと、高速で進入後、左に緩やかなカーブ、アペックスは一番奥で1.5m先はガードレールです。その後短い直線、6km付近で再び L形の左カーブ、その先からは急な下り勾配の連続で、やはり L形の右カーブ、次の7kmの右カーブのアペックスはコーナーの一番奥でガードレールまで1.5m程、しかも外側にたわみヘアピン同様の右カーブからインに寄せ、直ぐアウトのゼブラに逃げながらアクセルをジワーと踏む急な下りカーブが続くと言うような具合で8kmポストのアデナウまで急な下りが続きます。「ノルドシュライフェ」のように、路面とカーブが急激に変化し、ガードレールまで2m足らずのコースを走るには、微妙なブレーキとアクセルの使い分けに尽き、速度を保ちハーフブレーキで前傾姿勢を利用してのカーブでの旋回、回頭を覚えることが必須です。
初めて「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」を走ると言うことを例えると、地方の方が運転免許証を取得後すぐ、割合空いている首都高速でジャンクションを間違えず走るのと似ているのではないでしょうか。

10月28日(木)曇天、朝8時32分まだ夜が明け切っていないです。明日から始まる「ニュルブルクリンク耐久レース」VLNは今年の最終戦です。「マンタイレーシング」の大型トレーラ3台は、レース機材の積み込み作業を開始しています。ウーヴェ・フルークさんに依頼していたアクセルのかさ増し用ペタルを受け取りに訪ねたところ洗車のスペシャリスト、アンドレアス・ステファンさんが積み込み作業を中断し、わざわざ挨拶に来てくれました。

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その後プロスポーツのクリストファ・エッサさんを訪ねアクセルペタルのかさ増しと6点式シートベルトの装着をお願いしました。マターベルトをフロアーに取り付けるのではなく、バケットシートのサイドステーと一体での取り付けですから、シートベルトとその付属パーツを全て取り外しマターベルト装着のステーを取り付けます。

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シートとその関連パーツを一切取り除いた状態の運転席と待機中の「ポルシェ997GT2RS」です。
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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 319
2010.12.20

「マンタイレーシング」のゼッケン1「ポルシェ997GTR」は、今年の「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」で、マルセル・ティマンがハンドルを握り7位からスタートしグランプリコース4,556mの3/4を走ったハッツェンバッハボーゲンを過ぎたあたり迄で上位6台を抜き去り、その後は他を圧倒する強さでトップを独走する体勢となりました。レース開始7時間余を経過後「ノルドシュライフェ」の17kmポストの右カーブ、プランツガルデンが漆黒のとばりに包まれた直後、ガードレールに激突し反動でコース上に飛び出したゴルフシロッコを避け切れず接触、リタイヤし5連覇の夢ははかなく消えました。しかし「ニュルブルクリンク耐久レース」VLN10戦中、7勝を果たした「マンタイレーシング」の戦績は「ニュルブルクリンク」のレース史上に燦然と輝き、その栄光と名誉は永く名を残すことでしょう。

2010年第38回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」の版権「ポルシェクラブ六本木」が取得、企画しDVDで発売しました。制作はジャングルジムが担当し、昨年同様に迫力あるレースをご覧頂けます。販売価格は3,980円です。「ムラタチューン」のホームページでお買い求め頂けます。

2008年第36回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」で奇跡の3連覇を果たした「マンタイポルシェ997GT3RSR」が、リフト上で今年最後の点検作業に入っています。記念すべきこの車輌の心臓部を下から眺めました。

エクキゾストマフラーの先に見えるクランクケースの形状は市販の「ポルシェ997GT3」と同一です。つまりポルシェは市販車をベースにレース車輌制作していますが、多くの共通のパーツを使用しています。このことはポルシェ通の方は良くご存じのことです。以下に一部レース車輌のみの箇所をご照会します。左右のエキゾストマニホールドが交わった先にひと際白い一文字にウォーターパイプが見えます。このパイプで軽量化が計られています。そこから左右対称に伸びたエキゾストパイプのバンテージの切れ目のスプリング内側直ぐ下にL字状のパイプが見えます。カムハウジングからのオイルパイプが1本増設され効率化が計られています。
後輪のホイール内側に、やはり一文字に黒のパイプが見えますが、左右のホイール際で“サ”の字の形状になっています。これがスタピライザーで市販車との相違はボルトの差し替えで前後に移動し調整するのではなく、バネ状のブレードでネジの様に回すことで調整できるスタピライザーとなっているのが市販車との違いです。

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右の写真はシーケンシャルミッションです。中央左黒く “」” 型に窪んだ奥の黒い筒がセルモーターで、右のやはり黒く窪んだ所がデフケースとなっていますが、市販車とは左右反対に設けられています。更にミッションマウントがリジットになっているのは当然ですが、大幅に小型化し軽量化が計られているのが市販車との相違です。

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ファクトリー内は屋外、白銀の世界にふさわしいカラーリングの今年「マンタイレーシング」から参戦し、大いに活躍した2台の「ポルシェ997GT3R」が並んで置かれています。
1台得体の知れないホワイトボディーが出番を待っています。

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ヨーロッパはクリスマスイブ迄の1ヶ月間がクリスマス期間です。今月20日からクリスマス休暇に入ります。写真はホワイトクリスマスを実感する光景です。明日の帰国を前に夕方から雪の舞う天候に変わりました。今日は残務処理で終日ホテルのリビングでパソコンとスカイプを相手に帰国してからの仕事の追い込みを計りました。昨年同期とは異なる大寒波の影響で「ノルドシュライフェ」を走ることなく、今年最後の訪独は終了しました。週末までこの雪の影響でコースは閉鎖です。出発前に予定していた今日の走行はなくなり全くの見込み違いでました。

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12月8日(水)17時過ぎフランクフルト空港で「マンタイレーシング」の足廻りの調律師ウーヴェ・フルークさんと1ヶ月ぶりに再会しました。この時期、朝は8時過ぎ、夕刻は16時前に暗くなります。ウーヴェさんには今年2ヶ月に及ぶ来日で「ムラタチューン」のメカニックは技術指導で大変お世話になりました。ポルシェでレース活動をする世界のどのチームをも凌駕する足廻りは、しなやかにして剛性がありレーシングドライバーにストレスを掛けない調整は、他チームが真似のできない技術から成っています。この1年を顧みて来年に向けた展開を話し合いました。

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2時間に亘る今年最後の打ち合わせを空港内のレストランで終了し、お互い来年の健闘を誓い搭乗口に急ぎました。搭乗時間間際に機内への案内が少し延びる旨日本語のアナウンスがありました。ドイツ語のアナウンスは搭乗時間まで3時間待つと言っているのですが、日本語のアナウンスは、もう暫くお待ち下さいとその後20分間隔位で2回アナウンスがありました。内容の異なる表現の違いはなぜなのでしょうか。

20時25分発の機内に入ったのが22時過ぎです。空港は吹雪で除雪が間に合わず着陸が先行し、更に6時間機内で待機することとなりました。今年最後の訪独は今冬最初の大寒波の影響を一身に引き受ける憂き目となりました。

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