新着情報

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 354
2011.02.13

北八ヶ岳東麓の標高1500m、麦草峠に至る中間の農業用貯水池「八千穂レイク」の今朝の気温は-13℃、陽光は春を思わせる暖かさを感じさせ写真でご覧頂く限り寒さを知ることはできません。氷上を走行するボクスターは幌を収納し、春風を一杯に受けレッスンを楽しんでいるかのように見受けられます。所定の停止ポイントでウォルフガング・カウフマンさんのレクチャーを受けてから再びカウンターを当てながらスタートをして行きます。

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近年女性の活躍が注目を浴びていますが、先日掲載した「ポルシェパラノイア349」で素晴らしいドライビングテクニックを披露して頂いドライバーも現役で活躍する女性でした。今回ご紹介する方はサーキット走行が好きなのですがヘルメットを被るのが苦手でヘルメットを必要としない「ポルシェウィンタートレーニング」に最も早く申込書を送って頂きました。参加した成果は後に掲載いたしますが、参加して体感しなければ上達するものではありません。

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カウフマンさんは広い八千穂レイクを縦横に移動し、チェックポイントに立ってアドバイスをしています。写真は正面からドリフトしながらカーブに向かって迫ってくるドライバーにアドバイスを与えているスナップです。こんな方法で1日中とプラス夜9時まで極寒の氷上で立ちずくめです。プロとして教える熱意とトップとはかくあるべきとの姿勢は、全ての人が見習うべきです。
菊池一仁カメラマンは大口径500mmの望遠レンズを装着し、迫力ある写真を撮影しています。高速の外周を右回りで向かってくる被写体のポルシェを追いかけていますが、画像はDVDに転写し参加者に提供されています。ご期待下さい。

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今期「ポルシェクラブ六本木」が主催する「スポルトファーシューレ」は今回で7回目を迎えます。そして「ポルシェウィンタートレー」としては3回目です。いつも通り1日以上開催する「スポルトファーシューレ」には必ず顔を見せ何くれとなく気遣いをして頂いているヴォルクスの吉田 勲さんです。「ウィンタートレーニング」の最中に電話をしています。どうしたことか2時間ほどしてJAFの車が氷上トレーニングの会場に姿を見せました。ムラタチューンからメカニックが来ているのですが、どうしたのでしょう。インロックが発生しましたので、その救援を電話で依頼してくれたのが吉田さんでした。寒風の中、苦闘2時間半の末、解錠に成功しました。さすがと感激した一幕でした。しかもこの作業は無料と言うことを初めて知り感謝と感激の2乗です。なぜかと言うとインロックしたポルシェは私の車で、当人が知らぬ間のできごとで防寒手袋を車内においたままでしたからその感謝もひとしおです。インロックされてしまった事情はこもごもありますが、書かぬが華のようです。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 353
2011.02.12

「ポルシェウィンタートレーニング」2日目も好天に恵まれましたが、肌を刺すような寒さは昨日と変わりありません。「ポルシェ乗り」がそれぞれスタート前の点検を怠りなくしています。北西からの寒風、強風で3種類の幟は竿ごと小刻みに震えパタパタと音を立て勇壮にさえ見えます。
ウォルフガング・カウフマンさんのコース説明に沿って2グループに分けられスラロームから定常円と内周、外周の2kmほどに及ぶコースの試走がスタートしました。ブリーフィングで冷え切った身体を車内で温めながらのすり足走行、2日目がスタートしました。

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右回り、左回りと合わせて14通りのコースをカウフマンさんは、昨夕トレーニング終了後と今朝一人でハイドバンを使って作りました。
どこのコーナーも同じ角度が存在しないのは、「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の仕事でコースを熟知しているカウフマンさんにとっては、ごく当然のことです。接地面が「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」のアスファルトか「八千穂レイク」の氷上かの違いで、急激な接地面の変化とコースの多様性は両所、同等です。
「八千穂レイク」の氷上コースでアクセルの使い方を習得したならば「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の走行資格の仮免合格と同等でしょう。「ノルドシュライフェ」と「八千穂レイク」との大きな違いは「八千穂レイク」に高低差とブラインドコーナーが存在しないことです。しかし「ポルシェウィンタートレーニング八千穂」で本気に微妙なアクセルワークを習得したなら、後はプレステーションでブラインドコーナが連続するコースを覚えることです。次の問題はプレステーションと「八千穂レイク」で唯一、体感できないのが、3次元への急激な変化とコーナー外側にたわんだ接地面の感触です。これは「ノルドシュライフェ」でポルシェのハンドルを握り実走することで路面からの挙動を皮膚で感知し体験する以外ないでしょう。

余談ですが、2003年幸運にもプレステーションの制作現場「ノルドシュライフェ」に居合わせました。プレステーションが発売されたことで「ノルドシュライフェ」に初めて挑戦するプロのドライバーも大いに助けられたのではないでしょうか。現在「ニュルブルクリンクグランプリ」コースに面したVIPルームにもプレステーションのゲーム機が設置されています。プレステーションが出現した効果は「ノルドシュライフェ」に初めて挑戦する全てのドライバーにとって絶大な影響力と成果を与えたでしょう。

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もうひとつ余談です。
2002年5月「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」参戦の1週間前に行われたポルシェAGの「スポルトファーシューレ」にレーサーで「ポルシェクラブ六本木」の顧問、余郷 敦さんと参加しました。この当時「ノルドシュライフェ」の資料はなく実走で体感する以外、術はありませんでした。2日間で「ノルドシュライフェ」の全てを把握することは普通、不可能に近いです。余郷さんは昼食後、瞑目し無意識に右人差し指を動かしコースのイメージトレーニングをしていましたが、声を掛けられない鬼神にも似た姿と無我の心境は今でも鮮明に思い出されます。そこにはオーラと言うべきか、近寄りがたいプロがレースに臨む厳しい姿を垣間見ました。

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世界一難しくこのコースの走り方を覚えたら誰もが必ず虜になる「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」を9月後半に1日「ポルシェクラブ六本木」が貸切って「スポルトファーシューレ」海外版を開催いたします。「ポルシェクラブ六本木」は北ドイツ自動車連盟と共催で年2回「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」で同様のドライビングスクールを開催していますが、この催しが同時期に4日間ありますから、合計5日間「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の走行を楽しむことができます。片方だけでも参加可能です。詳細の発表まで暫くお待ち下さい。

次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 352
2011.02.11

昨夜のパーティーでの過度のアルコールと厳冬の氷上で終日立ちずくめがボディーブローのように効いて部屋に帰り早々にダウン、今朝は5時に起床、今日の準備を整えて6時に昨夕からお預けの露天風呂に首まで浸かり6時半から朝食、7時半ホテルを出発、先発したウォルフガング・カウフマンさんは8時前から氷上コースの整備と慌ただしい「ポルシェウィンタートレーニング八千穂レイク」スタートまでの時間でした。

9時前に参加者全員がホテルのバスで八千穂レイクに到着しました。極寒の氷上に一夜放置したポルシェは、全車元気よくエンジンを始動し順調なスタートを切りました。今日も好天、雲ひとつ見あたらない分、寒さはひとしおで北東に噴煙たなびかせる浅間山を望み絶好のトレーニング日和です。

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ブリーフィング前のスタート準備に忙しい「ポルシェ乗り」です。
「ポルシェクラブ六本木」が開催する今回の「スポルトファーシューレ」は7回目を迎え「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の海外版の3回を加えると昨年4月にスタートした今期は今回の「ポルシェウィンタートレーニング」で10回目となります。
4日間開催の滞在費と冬用タイヤ購入費用を加算すると高額にならざるを得ません。次に「ポルシェウィンタートレーニング」の参加を躊躇する人が最も心配してやまない問題がふたつあります。ひとつ目は雪の壁に愛車ポルシェが接触しダメージを被るのではないかという心配です。結論は今回4日間開催した「ポルシェウィンタートレーニング」で1台も発生していないことです。理由はコースに沿って除雪した雪の堤防はパウダースノーで飛び込んでもクッション代わりに愛車のポルシェを優しく包み込むだけです。飛び込んだ後は引っ張り出しフロントのエアーダクトに入り込んだ雪をかき出すだけで全ては完了です。ダメージは全く起きません。次は初めての雪道を果たして会場までたどり着けるかと言う誰しも心配するもっとも深刻な問題です。幸い雪道をウィンタータイヤで走破しなければならない雪道初体験の「ポルシェ乗り」は全員軽井沢のホテルに朝7時半までに到着できるよう集合して頂けましたので「ウィンタートレーニング」経験者が運転をして会場に無事到着しました。驚くことに午前中のトレーニングで腕を磨いた雪道初体験の「ポルシェ乗り」は、昼食会場への7kmの雪道を難なくこなすほどの上達ぶりです。
因みに開催前の問い合わせで最も多かったのは、軽井沢までの高速道路の雪の情報でこれは経験、未経験問わずでした。

今日も鷹のような鋭い目でカリキュラムの内容を観察し、シャッターを切る菊池一仁カメラマンです。世界中のレース場で活動し、その豊富な経験を生かし、素晴らしい映像を「ポルシェクラブ六本木」の参加者に提供し続けるいわばポルシェドライビングスクールの生き証人のようなカメラマンです。

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「ポルシェウィンタートレーニング八千穂」2日目のブリーフィングが始まりました。風さえなければ小春日和で暖かですが、機嫌を損ねると氷の刃を容赦なく突き立ててくるのもこの時期の天候です。朝9時過ぎ長い影を引く冬の陽はまばゆいばかりです。

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カウフマンさんは今朝も我々の到着より1時間以上前から、一人でハイドバンを駆使し、昨日より更にバラエティーに富んだコースを増設し、待ち受けていました。開始前にコースの詳細説明をしてから、参加者全員を2班に分け昨日同様に初心者はスラロームから続く定常円の開始です。

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今日ここに集合した「ポルシェ乗り」は最も幸運な方ばかりです。この広大にして変化に富んだ氷上コースを24台の車輌で丸一日占有できるのですから、これほどの豪華なドライビングスクールはありません。ここに記した一日とは21時まで続行するキャンドルトレーニングを含むカリキュラムです。2日目を消化した「ポルシェ乗り」がどのように変化したか、今後のブログをぜひお読み下さい。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 351
2011.02.10

第3回「ポルシェ ウィンター トレーニング八千穂」開催日初日、参加者は快晴の下、今日一日楽しんだ愛車を氷上に残し、ホテルから迎えのバスで圧雪とブラックアイスの下り、つづら折りの町道を8km、佐久穂町に出てから、軽井沢まで約30kmの行程を1時間かけホテルに到着しました。飛び込み参加者を含む部屋割りで意外と時間を費し、首まで浸かるはずだった露天風呂に入る時間はなくなり、そのまま、パーティー会場に直行することとなりました。

「ポルシェクラブ六本木」が開催するスポルトファーシューレは企画から開催まで全て手作りのイベントですから、こんなことはいつもあることで珍らしくはありません。大事なのは参加して楽しめる充実した内容で参加費をいかに低く押えるかが重要な要素です。この課題を満たすため参加された皆さんの協力が不可欠です。高額の参加費を払って参加された皆さんの率直な意見を聞き、できるところからイベントに反映することは更に重要なことです。

「ポルシェ ウィンター トレーニング」は、ポルシェを乗り始めた方にぜひ参加頂きたいのです。初めて参加したポルシェスポルトファーシューレを楽しみながら4日かけ、じっくりと学ぶことができる絶好の機会だからです。
サーキット走行だと経験者と初心者が昆走するため経験の差が、そのまま速度差となり、初心者は初めてのサーキット走行で恐怖を体験することとなりかねません。「ポルシェ ウィンター トレーニング」では、ほとんどの参加者が氷上走行の経験がないので速度差はタイヤの差以外生じません。 “すり足” 状態の氷上走行から微妙なアクセル操作を学び体験から習得することが、とても大切なことです。そして微妙なアクセル操作が高速サーキット走行に繋がって行くことが最も望ましい「ポルシェ乗り」育成方法なのではないでしょうか。

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初日24名を迎えた「ポルシェ ウィンター トレーニング八千穂」のパーティー会場です。「ポルシェクラブ六本木」小林会長の挨拶の後、Dr.原中の乾杯で賑やかにパーティーの幕が開かれました。大きな体はやさしい人柄をそのまま現していてます。全員が起立しての乾杯の音頭は、今日の成功と明日からの更なる上達に向けドイツから参加した二人も日本語の音頭で乾杯に加わりました。

Dr.原中に昨夜掲載したミューに対するGの関係を解説してもらいましたので再度記載いたします。そもそも走行中の車輌の前後、左右の遠心力 “G” を計測する計器は世の中に存在しませんでした。大がかりなシュミレーション装置を使用しての数値計測は可能でしたが、世に存在しなかった小型で精度の高い計測器を自ら作り、それを使ってタイヤと接地面の限界を計測し数値で記し、初めて論文にまとめました。誕生した計測器は「Gチャレンジ」の名称で限定した車輌に装着し実験を続けていますが、その論文が自動車メーカーの新車開発コンセプトの解説文として引用されるに至りました。
Dr.原中の解説では、ポルシェでサーキットを走った時の “G” を数値で現すとラジアルタイヤで走行時の横Gは1.1から1.2Gです。八千穂レイクの雪上で、0.3から0.4Gで、氷上においては0.1から0.2Gです。昨日記載したように氷上はサーキットの約1/6になるとの説明を受けましたが、この数値は全て “Gチャレンジ” の計測データによります。

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「コンバンハ」「ミナサンオゲンキデスカ」 ウォルフガング・カウフマンさんの挨拶は食事をしながらの中でユーモラスに始まりました。明日からのコースとカリキュラムは更に豊富メニューとなり充分に楽しんで頂けるとの説明でした。

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参加者全員が自己紹介を兼ねた挨拶をしました。
コンチネンタルタイヤの高橋さんがスタットレスタイヤとウィンタータイヤについて、その特徴を説明して頂きました。スタットレスタイヤの頼りない腰の弱さはブロック構造の問題であることを分かりやすく解析し、2時間半近くに及んだパーティーはお土産付きで幕を閉じました。明日からの氷上トレーニングは更に拍車と磨きがかかりそうです。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 350
2011.02.09

80km以上の凄ざましい迄の高速で雪煙を巻き上げ走るユーノスロードスターハードトップです。高速道路の時速80kmは通常ポルシェにしたら高速にあたらず、むしろ眠気を催す速度域ですが、これが氷上となると事情は大きく変わります。低ミューの氷上ではサーキットの1/6いや場所によっては1/10程度なのかもしれません。仮に1/6としたなら氷上はアスファルト路の6倍に値する速度となります。ここで走るユーノスロードスターが氷上で80kmの速度を可能としているのは、ハリネズミのようにタイヤに打たれたピンの効果で当然ミューは高くなります。このユーノスロードスターが仮にスパイクタイヤでなくウィンタータイヤであったならプロであっても、この速度域に達するのは相当の運転技術を必要とするでしょう。
八千穂レイクの鏡面のような氷上において、針千本/ハリネズミのユーノスロードスターは、「ポルシェ997GT3RS」など歯牙にもかけない無敵の走行性能を誇ります。鏡面のように磨き上げられた氷上でもパウダースノーの雪上でも自由自在に走り,そのハンドルさばきは小気味良いばかりです。

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スタットレスタイヤとピンを打ってあるユーノスロードスターの違いは、上段の写真をご覧頂いてお分かりのように、針千本と比較すると下段のユーノスは静々と、しとやかな走りです。写真左のユーノスはスタットレスタイヤですが、右は少しピンを打ってあります。ドライバーはサーキット走行は勿論、圧雪路も走ったことのない鹿児島からの参加者です。近いうちにポルシェ購入を考えているそうで、“転ばぬ先の杖” を説き半ば強引に参加して頂きました。車に関する趣味はモータースポーツレースの撮影で、世界中の大きなレースを撮りに出掛けているそうです。昨年はスパの後に開催されたニュルブルクリンク24時間耐久レースでお会いしました。

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「ポルシェウィンタートレーニング」初日も終了の時間となりました。一日好天に恵まれましたが、冬至からわずか一ヶ月経ただけで、すっかり日も長くなりました。煌々と寒月が冴え渡り今夜の月は満月です。肌を刺す寒気は挨拶の口の回りすら鈍らせる寒さで、大寒を実感させます。時折吹く風は身体の芯まで浸み亘ります。今日は17時で終了です。早く帰ってホテルの露天風呂に首まで浸かり、“のんびり” したい心境ですがこれは寒さのためでしょうか。年のせいでしょうか。

カリキュラム終了間際のワンショットは「ポルシェ996GT3」のドリフトで締めくくらせて頂きます。

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次回に続く