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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 437
2011.07.18

第39回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」は6月25日(土)16時にスタートしました。レース前半はウェットコースでしたが、2時間後の18時頃にはドライに変わり、スタートから18時間が経過しました。今日は26日(日)の朝10時です。昨日は冬支度でなければいられない程低温でしたが、今朝は昨日の天気が信じられような爽やかで暖かい朝を迎えました。

そんな初夏を思わせる青空の下、空中散歩を試みました。
ポルシェクラブ六本木が企画し、ユーロピクチャーから9月に発売される
第39回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」のDVDの版権を提供頂いたWIGE MEDIA AGの好意で実現しました。小高い丘の草原から飛び立ち周辺の木立が眼下見える頃にパット視界が開け正面に見慣れたニュルブルク城が違った視覚で見えてきました。右に緩やかに旋回しながら機首をツーリスト走行の玄関口方面に向けました。カマボコ型の屋根に赤い壁の建物がツーリスト走行者向けのレストラン“デビルディナー”です。今日はレースで入場ゲートがしまっているのか駐車場にほとんど車は見当たらず、入り口近くロータリー先の森のむこうの草原にキャンプをする人達のテントが多数見られます。           

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ヘリコプターは次に機首を左に向けノルドシュライフェの直線からグランプリコースに入るティーヤガルテン(ニュルブルク伯爵の飼っていた動物の墓)からホーエンライン(連続するカーブ)方面を望みました。
グランプリコース直線から第1コーナーに向かって右側駐車場は、各レーシングチームの大型トレーラーで埋め尽くされています。手前の木立の中、整然と並んでいるのはプレス専用の駐車場で、ここから場内に向け小型シャトルバスが随時運行され重い機材を提げ移動することなく入場時はフリーパスで通過できます。

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グランプリコースの最終コーナー コカコーラカーブ上空から眺めたピットとピットロードです。二日目の朝10時過ぎ、魔の闇から解放され 3/4を走りきり残り時間はあと6時間です。既に参戦車輌が修理不可能なチームは撤退しています。
ひととき安定した時間帯なのでしょう。
ケシ粒の様に見える一団のレースカーが第1コーナーに向け、まっしぐらに飛び込んで行くのが見えます。既に18時間走りきり、けなげにさえ見えます。

フォードカーブからミューレンバッハを経て最先端がダンロップカーブです。
上空からの眺めは複雑に美しい弧を描いています。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 436
2011.07.12

第39回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」初日の昼前11時20分から12時30分まで世界18ヶ国からの参戦者による初めての「ポルシェカレラワールドカップ」が開催されました。昨年の「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」が終った夏以降にこのレースの開催を耳にしましたが、正式には12月に決定しました。
昨日の好天から一転し今朝は曇空でアイフェルの丘陵地帯を低く垂れ込めた重たい雲が西からの風に流れていましたが、グリットにポルシェカップカーが並ぶ頃には霧雨模様の天候となりました。
グランドスタンド前の直線コース上には約100台が3グループに分けられ各30台余のポルシェカップカーが遙か遠くコントロールタワーの先まで続いています。

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3グループの内、トップグループの先頭車両です。約1時間近くに及んだ待機時間は瞬く間に過ぎフォーメーションラップのスタートが近づきました。この頃になって霧雨の天候は本格的な雨に変わりました。
2列に並んだポルシェカレラカップの中央にはテレビのカメラマンが、次々と通過していくカップカーにレンズを向けています。第1グループのフォーメーションラップのスタートです。日本の梅雨を思わせる、しのつく雨の中グリーンヘルに向け全車が加速して行きます。

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トップグループ先頭集団の車両は既に第1コーナーを抜けフォードカーブに向かっていますが、まだ第1グループの車輌が続いています。
昨年同様グランドスタンドの建物内、メインストリートの特設会場には巨大なポルシェのブースが店開きし、通りがかりの観戦者にポルシェのロゴが入った小旗を配っていました。「ポルシェカレラワールドカップ」のフォーメーションラップがスタートすると小旗を抱え観戦者席の全員に惜しげなく配り始めました。
レースがスタートした時点で振って貰いその画像を放映する意図なのでしょうか。見事なほど皆に行き渡りフォーインションラップからスタートを切るまでの20分ほどの間に小旗の配布は完了しました。

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ニュルブルクリンクノルドシュライフェの最終コーナーからグランプリコースに入るとすぐ右のピットロードに向けペースカーがハンドルを切ると同時に第1回「ポルシェカレラワールドカップ」がスタートしました。遠雷の様な轟音と共に第1グループ先頭集団のポルシェカレラカップカーが望遠レンズに飛び込んできました。凄まじい水しぶきの尾を引いてグランドスタンド前を次々と通過していきますが、先頭集団はまだしも中盤以降の後続車の視界はないに等しいのではないでしょうか。
6周のスプリントレースですから尚更激しいアタックが展開されます。ご覧下さいこの状態の中であなたは走る自信がありますか。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 435
2011.07.11

6月26日(土)16時、第39回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」のフィナーレです。
今年こそ悲願の総合優勝を掛けたアウディ、昨年に続く連覇を狙い万全の態勢で臨むマリオ・タイセン率いるBMWのワークスチーム、昨年VLNシリーズ後半にデビューしたメルセデスベンツSLSの他を圧倒する不気味な存在、日本からはトヨタ、ニッサン、スバルが参戦する中、トップ争いで競合するBMW、アウディ、メルセデスベンツのドイツ車を押さえニュルブルクリンクの帝王マンタイレーシング、ゼッケン18のポルシェ997RSRが、昨年の雪辱を晴らしウィナーのチェッカーフラックを受けました。グランドスタンド一杯に鳴り渡るエアーフォーンと大歓声、参戦したチームメカニック達の歓声の中を共に戦い抜いたマンタイレーシングのチーム車輌を従えてチェッカーフラックを受けるグリーンアローです。
向かって左にゼッケン9のポルシェ997GT3Rハイブリット、右はゼッケン12のポルシェ997GT3R、3台のポルシェの後方には共に24時間を戦い抜いた数々のレース車輌が一団となって迫ってきます。この瞬間は完走したチームスタッフのみが味わうことのできる最高の達成感です。

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今年の「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」を制したマンタイレーシング、予選通過順位は昨年より更に8番順位を落とし16位でした。優勝車マンタイポルシェ997GT3RSRゼッケン18がガードレール際のカメラの放列と大歓声のグンドスタンド前を通過して行きます。右フロンのバンバーをテーピングしていますがレース運びは絶妙でその作戦は後日掲載いたします。
登録台数250台、参戦車輌198台、完走135台、総合優勝をしたマンタイレーシング、ゼッケン18号車は156周して完走を果たしましたが、完走車最下位135位のBMWは優勝車の丁度半分の78周しています。因みにひとつ順位が上の134位はトヨタガズーレーシングから参戦したゼッケン87のレクサスLFAは83周しています。レース中おおよそ半分をピット内で修理に費したことになります。
一方ゼッケン7番のBMWは予選を4位で通過し139周、22時間38分を走りチェッカーフラックまで残すところ1時間22分でリタイアとなりました。昨年、終盤トップを走っていながらゴールまで残すところ1時間40分でリタイアしたポルシェ997GT3Rハイブリットと類似したリタイアでした。
世界一過酷なこのレースは、深夜とチェッカーフラック直前の残りわずかな時間帯が魔の時間です。

マンタイレーシングの優勝で健闘及ばず2位に甘んじた昨年の覇者BMWワークスの監督マリオ・タイセンさんがオラフ・マンタイさんのピットへ祝福に訪れました。互いの健闘をたたえ合っています。
彼はこのレースを最後に引退を表明しましたが、その経歴は素晴らしい実績が証明しています。ル・マン24時間での優勝、F1に転向してから2008年カナダグランプリでの優勝とBMWモータースポーツ部門を統括して活躍をしました。

素晴らしい引き際です。

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表彰台で観衆の歓呼に応える優勝チーム、マンタイレーシングのドライバーと4分23秒792の僅差で惜敗した昨年の優勝チーム、ゼッケン1のマリオ・タイセン率いるBMWワークス、3位はアウディR8、アウディスポーツチームフェニックス、ゼッケン14番です。
好天の下での表彰式ですが霧のニュルブルクリンクノルドシュライフェのように祝福のシャンパンで霞んでいます。

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次回に続く