新着情報

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 973
2015.02.17

ムラタチューンがスタジオ タック クリエイティブから「空冷ポルシェチューニングマニュアル」を出版することになったきっかけは、22年前の1993年まで遡ります。
5月好天に恵まれたツェッフェンハウゼン工場内のポプラが初夏を思わせる風にきらきらと輝く正午少し前でした。
ポルシェ社がポルシェオーナーのため世界に先駆けスポルトファーシューレを開校しカリキュラムを作った初代校長(故)クラウス・デトリングさんと待ち合わせで、本社玄関前にいたときのことです。
当時、ポルシェ社で日本人に出会うことはまれで右小脇にファイルを抱えキーホルダーのリングに左指を掛け玄関の石段を上ろうとする日本人とおぼしき一人の男性に気付き、咄嗟に「あなたは日本人ですか」と声をかけたところ日本語の返事が返ってきました。
本の記事を書くためイタリアまでポルシェを走らせ、キーを返却に来たところでした。
そのときは互いの自己紹介と日本に帰ったら東京で会いましょう程度の会話でした。

2年後の1995年11月14日(木)にデリングさんは奥さんとお嬢さんの3人で日本を訪れポルシェクラブ六本木のポルシェ乗りのため菅生サーキットで週末の2日間にスポルトファーシューレを開校してくれました。
来日前の夏の終わりに家族3人で日本に行きたいと連絡があり、お招きしましたが、このときデトリングさんは既に膵臓ガンを患っていたのです。
11月の菅生サーキットは本格的な冬が訪れる前で相当寒かったです。
記念に差し上げたポルシェクラブのロングコートを羽織った奥さんと当時日本で云えば中学生だったお嬢さんが馬の背先のスタンドでデトリングさんが日本のポルシェ乗りを指導する様子をじっと見守っていた姿が鮮明に記憶にあります。
ご家族はデトリングさんが病に冒せれているのを知って、少しの時間も一緒に過ごしたかったのでしょう。
翌年の4月にスイスの終末ケアーの病院に入院するまで仕事を続け24日に亡くなりました。
シュツットガルト郊外、自宅から車で10分ほどにある墓地の碑銘には “生涯を仕事に捧げ永眠する”と刻まれていす。

そのときの模様をデトリングさんが亡くなって1年後1997年4月にスタジオ タック クリエイティブの高橋 矩彦社長がポルシェの特集「ポルシェファイル」と題した本にまとめ出版されました。
それから18年を経過して今回の「空冷ポルシェチューニングマニュアル」が出版されました。
構想から5年、足かけ3年を経て今月2月5日に発売されました。
定価は6,000円(税別)と高価ですが、空冷ポルシェの整備本として読み応えがある内容と自負しております。
購入をご希望の方はお申し付け頂くか、ご来店の際に声をお掛け下さい。

空冷ポルシェ964/993チューニングマニュアルウィンタートレーニング




PORSCHE Fire に掲載された当時、日本の名称PSCDS(ポルシェ スポーツカー ドライビング スクール)の内容とデトリングさんのドライビングテクニックを紹介した記事で写真は奥さんのウナさんからご提供頂きましたが、2年後にご主人の後を追うように亡くなりました。
お嬢さんは弁護士をされています。
ご夫妻のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


第7回ポルシェウィンタートレーニング初日の懇親会で自己紹介を兼ね、少し本の紹介をする村田 正明です。

ポルシェ ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 972
2015.02.11

昨日ネット環境について少し書きましたが、今回の宿泊施設“味の宿臼石”を初めて下見で訪ねた昨年10月15日()には、ネット環境が整備されていませんでした。
どうしようかと打ち合わせ会議で宮川支配人に提案したところ、帳場はパソコンを使用しているからと、対応を考えて頂けることになりました。
2日後には全館貸し切りでネット環境を整えるとの回答を頂いたときは対応の素早さに驚嘆し、深い感慨に浸りました。
その後今回のイベントに先立ち試泊に訪れた時にスタッフの皆さん一人一人が心のこもった対応をされているのを目にして、感動はひとしおでした。

因みに今回利用させて頂いた佐久穂町保養所“味の宿臼石”へ行くには佐久南INTから国道141号線を清里、須玉方面に向かって国道141号線を約9km南下した千曲病院入口信号を十国峠方面に左折し、ほぼ直線のなだらかな上りで11.6Km、大きな看板が掲げられていますから見落すことはありません。

初日の懇親会でウォルフガング・カウフマン特任校長が何回も参加され、いつも華麗なドリフトを見せてくれる人を表彰したいと舞台で宣言しました。
皆さん歓談の喧噪が一瞬で静まりカウフマンさんの次に出るの言葉に注目した瞬間です。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



愛知県から5回参加していただいている太田さんをカウフマンさんが指名し表彰しました。
昨年のニュルブルクリンク24時間耐久レースの特別企画クレーマーポルシェの限定本が賞品として手渡されました。
毎年多忙な合間をぬってポルシェウィンタートレーニングに参加頂いています。
皆さんが祝福する中、カウフマン特認校長と肩を組んで満面の笑みです。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



忙しい帳場の合間に挨拶を頂きました小金沢社長さんです。
今回の宿泊については特段のご配慮をして頂きました。
参加人数は過去最高の57名で不足分の布団の調達と大広間全ての解放、特設二次会会場の設営、打ち立て、茹でたてのひすい蕎麦や手作りの野沢菜、t沢庵漬けから24時間可能な入浴等、到れり尽くせりの心安らぐ配慮を頂き“商いの根本”を勉強させて頂きました。
冒頭のインターネット環境の整備もそのひとつです。
お願いしたことで難しい、出来ないと云う回答は何一つなく、難しい要望に対しては時間を下さい。・・・その後必ず叶えて頂けました。
この笑顔はお任せして安心の自信に満ちた笑顔です。

2009年講談社ビージーからムック誌で「空冷ポルシェ達人バイブル」を出版されたポルシェ整備の大先輩、アイコード鶴田昭臣社長のお声掛かりで舞台に立った村田正明です。
当人は2月5日に(株)スタジオ タック クリエイティブから「空冷ポルシェチューニングマニュアル」と題したハードカバーの書籍を出版することになり、サンプで数冊持参しましたから、それを掲げPRを兼ねた解説を鶴田社長が買って出てくれました。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング


次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 971
2015.02.10

初日から荒れた天候は予想外と言わぬまでも、予報を大きく外れたのは確かです。
結果的には今回参加された皆さんに大変ご迷惑をお掛けすることになりましたが、お陰でトレーニングの運営方法を見直す良い切っ掛け作りができたのも事実です。
今回のような荒れ模様は過去6回開催したポルシェウィンタートレーニングの中で最も対応が難しい天候でした。
このことは追々報告いたしますが、お昼少し前から降り始めた雪は17時を過ぎても止むことはなく時折、渦を巻いて吹き下ろすような激しさが加わります。

ポイント予報では日付が替わる頃まで降り続くようです。
20時頃、懇親会を兼ねた夕食会々場から眺めた屋外の雪景色ですが、まだ降り続いています。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




ポルシェウィンタートレーニングの開催前夜、昨夜の宿泊人数は13名でしたが、開催日初日は倍の26名となり80名入る宴会場は少し賑やかになりました。
懇親会開始時間は19時30分ですが、平日開催のウィンタートレーニングですから参加者は宿に入るなり昼間処理ができなかった仕事を必然的に処理する形となり時間まで着席できない人がちらほら出ました。
時間通り席に付いた人は、ひと風呂あび後でもあり早く喉ごしにキリリとしたビールを飲みたいのをじっと我慢し歓談をしています。

10分待ってから、ドイツでのモータースポーツイベント後のパーティー開始と同じ様にビールを注ぎ懇親会を開始しました。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




一番最後に着席したのがウォルフガング・カウフマンさんでした。
7時間、時差のあるドイツとのmailのやり取りで大幅な遅刻となりましたが、致し方ありません。
前回まではネット環境が整備されている小海のホテルまで10km程、移動して交信を済ませてから食事をとっていましたから改善されたと観るべきでしょう。

全員席に付きました。
改めて乾杯をして、本腰を入れての飲み会が始まりました。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 970
2015.02.08

ポルシェクラブ六本木主催で開催されるポルシェウィンタートレーニングは今年で7回を数え、38台が参加しました。
開催日前日から“番狂わせ”が生じ事務局は大わらわです。
申込書への今夜の宿泊の記入忘れや、仕事の手当が付いたので今晩泊まれるか?との問い合わせに対し申込者に事情を説明し、諸々の調整をする事務局は当然多忙を極めることになります。
限られた部屋の割り当て、朝夕食数の確定から部屋の布団数を宿やレストランに連絡をしなければなりませんから3人で手一杯の状態です。

ポルシェを愛する人が少しでも多く、つどえる様に応えるのがポルシェクラブ六本木が主催するイベントの運営法です。
こうした裏方の仕事は、とかく評価されないことが多いのですが、黙々とやり遂げる事務局の皆さんです。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



ポルシェウィンタートレーニングの開催日初日から荒れた空模様で、2日前の天気予報を大きく外れたのも大きな“番狂わせ”です。
ウィルフガング・カウフマンさんと肩を組み再会を喜び合う、日頃は991ターボを足代わりに使うポルシェ乗りですが。足下を見ると素足に下駄履きです。
こんな大降りになるとは思っていなかった“番狂わせ”が、ここにもあったのでしょうか?

深々と降り続く雪の氷上リンクで午後のスタートを指示するカウフマン特任校長とウィンタートレーニングの参加車です。


ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




しかし、30分も走らないうちに新雪に足を取られスタック車が続出のため、一旦全車が集合し、再び午後2回目のブリーフィングが行われました。
暖かい車内から外に出ると見事なまでに低下した気温がぐいぐいと体温を奪い取る感じです。
氷上で立ち続けるカウフマンさんと通訳の新関さんのウィンドブレーカーとカーボーイハットを見ると赤のウィンドブレーカーのと着雪の違いが良く分かります。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




リアが滑り出したら素早くカウンターを一杯に当てる。
荒れたコースが安定するまで経験者が走りその後、初心者が走るようにする2グループに分けドライビングスクールを続行することとなりました。

今年は昨年の様な良好なコンディションとは比較できない荒れた空模様ですが、こうした様々な気象変化にも即応出来る運転技術の会得が目的で参加していることを理解して頂けたなら運営側としてやりがいがでます。

かく言う理由は、どのような状況下に於いても運営側は常に参加された皆さんが楽しんで頂ける企画をいくつかの引き出しから取り出せるような準備を怠らないようにすべき教訓と認識しました。


ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 969
2015.02.05

第7回ポルシェウィンタートレーニング初日1月15日(木)の食事を終えて氷上リンクに戻って来ると一面真綿を被したような銀世界で下界とは比較できない積雪量です。
昼食時の往復は4ドアの車を使い5人乗りで、20分の移動時間を短縮し効率を図りました。
明日以降同一車両に同一同乗者で移動することで更に氷上リンクの出発時間を短縮することにしましたが、短時間で昼食を済ませ氷上リンクに戻るとすっぽり雪のボディーカバーが掛かっていました。
そして降り続いています。

ウィンタートレーニング
ウィンタートレーニング




真綿の新雪を取り払いスタート準備が整った993です。
昼食を取っている間にコースの見分けが付かない状態にまで雪が積もり、スタート直後コースを見誤り雪の壁に乗り上げた991ターボです。
ここまでコースを外れると人力ではどうすることもできません。
こんな時の主役が新車でおろし立てのランドクルーザーです。
後部のフックに牽引ロープを装着し荷台に投げ込んで置くだけで脱出活動はカイエンとはひと味違った効率を発揮します。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



蟻が餌を運ぶ様な状態で何人もの助っ人が991ターボに取り付きランクルがトルクを掛け乗り上げた雪の山からの脱出は成功しました。
やはり1週間前のおろし立ての新車ですが、雪の壁を突き破り乗り上げても傷一つ付かないノンリスクのドライビングスクールが我が国唯一のポルシェウィンタートレーニングです。
こうして互いが助け合うことで、参加者全員の連帯感が培われ、宿に帰っての夕食の酒が一段と美味しく初めての参加者でも親近感をもって楽しむことができるのがポルシェクラブ六本木主催のポルシェウィンタートレーニングです。

その主役を常に穏やかな笑顔で演出して頂いている津々見校長先生です。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング

次回に続く