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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 231
2010.07.26

2010年第38回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」フォーメーションラップ終盤「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の直線が終わり、右、左と二つのコーナーの先は、200m程でグランプリコースにつながります。
トップ4台がアウディーR8LM-Aで、5台目が「HARIBO」「ポルシェ997GT3R」ゼッケン8、6台目がマメローレーシング「ポルシェ997GT3R」ゼッケン12です。
「マンタイレーシング」ゼッケン 1 「ニュルブルクリンクの王者」マルセル・テーマンさんがハンドルを握る「マンタイカラー」の「ポルシェ997GT3R」は、「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の最終コーナー手前で先行車との車間を取りました。レース巧者で且つ冷静な判断をする彼ですから、先行する全車の情報は熟知しての戦術です。

「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」の最終コーナーについては、昨2009年10月3日(土)の第8回「ニュルブルクリンク4時間耐久レース」VLNの最終ラップ、交代時5位から3位まで順位を上げ、ノルドシュライフェ最後の直線、ティーアガルテン橋付近で2位のアウディーR8LM-Aを274㎞で追尾し、2度、3度追い越を試みたが、進路妨害をしたR8LM-Aはバランスを崩し、マルセル ティーマンさんは芝生に回避し事故に至らずすみました。レース後のインタビューで、右か左を開けるのが当然だ。との抗議に対し、アウディーR8LM-Aのマルコ ・バセック氏は 「かわせる(ゴールできる)と思ったが、思ったよりも早く(追い付かれ)バランスを崩した」 と謝っていました。
ゴールまで続いたデットヒートの動画画像は特に興味深いです。
グランプリコースに入る左カーブをショートカットして、R8LM-Aのマルコ ・バセック氏を抜き去るマルセル・ティーマンさんのドライビングテクニックと決断力は素晴らしいです。

http://www.vln.de/newsausgabe.de.php?id=1912


昨日の「ポルシェパラノイア」に記載したグランプリコースに入ると、すぐペースカーがピットに入り、2010年 第38回「ニュルブルク24時間耐久レース」の熾烈な戦いがスタートしました。グランプリコースのストレートを第1コーナーに迫るトップグループです。

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コースがオープンになると同時に「ニュルブルクリンク」のチャンピオンの実力を見せ付ける格好となりました。昨日の予選では接触事故を避けるため無理なタイム計測を避け、7番グリットで決勝を迎えました。
スタートと同時に群を抜く見事な走りを見せ、先行する6台を次々とパスし、4、556mのグランプリコースを終了際にトップに立ちました。プロジェクターに食い入る一瞬のできごとでした。

「ノルドシュライフェ」に入ると独走態勢となりました。
目の覚めるような速さに、プロジェクターに見入っていたピットの中から大歓声が上がり、自然と拍手が起こりました。
過去の「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」のスタート時点で、これだけ他を圧倒する速さの走りがあったでしょうか。

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「HARIBO」「ポルシェ997GT3R」ゼッケン8 の次のドライバーは現在「ポルシェスーパーカップ」で活躍中のクリスチャン・メンツェルさんです。小柄ですが人懐こく愛想がよく、誰とも気軽に会話を楽しみます。第2スティントに向け準備を始めました。16時3分です。

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16時5分にはスタートドライバーのランス・デビット・アーノルドさんがマルセル・ティーマンさんのすぐ後にピットに入ってきました。受け入れ側のピット作業は一気に多忙を極めます。交換されたタイヤはホイールを点検してすぐにサービスセンターに持ち込みます。次に使用するタイヤはウォーマーを装着し、いつピットインして来ても良い体勢に整えます。
意気の合った完全な分業制で「言葉はいりません」

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 230
2010.07.25

「ポルシェパラノイア 95」でご紹介した「マンタイレーシング」から参戦する「HARIBO」「ポルシェ997CUP」ゼッケン88を担当するヨーク・ベルガーさんの演じる一人芝居?が、「ニュルブルク24時間耐久レース」スタート直前に開演?しました。タフで陽気で緊張している時や疲れている時、この演目は効果を発揮します。この後、すぐに全員退場の指示が出ました。
すぐ後ろの25番グリットには、ゼッケン50ガズーレーシングのレクサスLF-Aが待機しています。
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メカニックが着用している揃いの赤いユニホームは色鮮やかで、一段と人目を引きます。
退場の指示に従いスタッフは皆、潮が引くかのごとくピットに引き上げて行きます。
50番グリットはゼッケン44 ファルケンカラーのニッサンZ33です。日本人ドライバー2名とダーク・ショイスマンさんが参戦しています。彼は2000年からファルケンタイヤの看板でニッサン車に乗ってレースをしていますが、ニッサンのテストドライバーです。「ニュルブルクリンクノルドシェライフェ」に日本メーカーが進出する足がかりとなったジョー・ベーバー氏の愛弟子で、2000年にポルシェクラブ関東地区が富士スピードウェイで開催した日本で最初の「スポルトファーシューレ」にインストラクターとして、来日を予定していましたが、残念ながら急用で取りやめになった経緯があります。

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ピットの引き上げて来ると「マンタイレーシング」のブースにヴァルター・ロール氏が来ていました。本来ならばこのレースにドライバーとして参戦する予定でしたが、残念なことに長身による職業病?の腰痛で、レーシングスーツ姿の氏を見ることは叶いませんでした。

トップ集団から25番ピットは遠く帰り着くまもなく、フォーメーションラップがスタートしました。アウディー2台による先導で、うち1台が露払いのように先行し、ぺースカーは右の写真でご覧のように遥か後方です。コースを差し渡しドッティンガーホーエのニュル屋の前にアウディーR8の看板が見えます。

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約3㎞のほぼ直線を続々とグランプリコース目がけ迫ってきます。轟々と爆音のように轟きわたる排気音が遠雷のように聞こえてきます。直線のこの場所でも上下はご覧のように先が見えませんし、その先は最高速で左にカーブし、上り切ってすぐ右、左と、きついカーブが連続しグランプリコースに入ります。

「ニュルブルクリンクノルドシェライフェ」のフォーメーションラップを走りきり、ペースカーが斜め右にハンドルを切ったと同時に周辺を圧する轟音が響き渡り、2010年第38回「ニュルブルク24時間耐久レース」の幕が切って落とされました。全車アクセルを全開しグランプリコースの第1コーナーを目がけ飛び込んできます。
レースの醍醐味です。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 229
2010.07.24

ゼッケン 1 「ポルシェ997TG3R」のスタートドライバー、マルセル・ティーマンさんのインタビューが終わり、「マンタイレーシング」の5連覇に賭けたドライバーズシートに座る時間が迫りました。揃いの防寒用ユニホームを脱ぎ、搭乗準備の開始です。あまり見かけない黒いフェイスマスクをかぶったところで穏やかだった瞳は、にわかに鋭さを増しました。この間も撮影用カメラは回っています。彼のフェイスマスク、ヘルメットをかぶる姿を追っています。

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「マンタイレーシング」揃いのコートを脱ぎハンズを装着しました。今ヘルメットをかぶろうとしている姿は、中世の騎士のような風貌に見えます。乗るのは馬でなく「ポルシェ」で、時間と耐久と栄光を賭けた戦いが「ニュルブルクリンクノルドシュライフェ」で始まろうとしています。

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ゼッケン8「HARIBO」「ポルシェ997GT3R」には、既に3分前からランス・デビット・アーノルドさんがドライバーズシートに納まっています。あは3分以内に全員退場のアナウンスが流れ係員の誘導でコース内からピットに移動となります。

ゼッケン1「マンタイレーシング」の「ポルシェ997GT3R」から総監督のオラフマンタイさんが、ゼッケン8「HARIBO」「ポルシェ997GT3R」のウーヴェ・フルーク監督とスタートドライバーのアーノルドさんのもとへ声をかけにきました。左手には唯一「マンタイレーシング」ゼッケン1のみハンディキャップを課せられた25㎏のウェイトが握り締められています。

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スタート10分前「マンタイレーシング」から参戦する全車はまだタイヤウォーマーを装着したままで待機しています。写真右は昨年も参戦した「マンタイレーシング」のスポンサーでもあり、自らドライバーとして参戦しているゼッケン3「WEISS」「ポルシェ997TG3R」です。オーナーはゲオルグ・ワイスさんで、クルーはミッシェル・ヤコブ、ペーター・パウル、オリーバー・カインツさんです。今や「ニュルブルク耐久レース」VLNを含むニュルブルクレースの常連です。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 228
2010.07.23

本番用レースタイヤが装着された後は、スタートドライバーが乗り込むまでの僅かな時間、待機が続きます。ゼッケン8「HARIBO」「ポルシェ997TG3R」は、最後にウーヴェ。フルーク監督とダミア・ケリックホイールさんがセンターロックの増し締めをして、タイヤ交換は全て終了しました。スタートドライバーのランス・デビット・アーノルドさんはフェイスマスクを手に待機しています。「マンタイレーシング」が5連覇を賭けた2010年 第38回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」のスタートドライバーとして、やはり緊張の面持ちは否めません。
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ゼッケン1 「マンタイレーシング」「ポルシェ997GT3R」も既にタイヤ交換は終了し、最後のタイヤ確認を世界最強のポルシェエンジン生みの親でゴットハンドのヨルク・フレッフェンさんがしています。オラフ・マンタイさんはポルシェAGのエンジニアと打ち合わせ中で、マルセル・ティーマンさんがイヤホーンの確認をしています。こうしている間にもインタビューのカメラが訪ねてくるスタート前の慌だたしさです。

一方アーノルドさんはウーヴェさんと搭乗前の打ち合わせ中です。双方のこうした会話がレース前の心を落ち着かせるのに役立ちます。

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レシーバーの調整が終了するのを待ち構えてカメラが2台マルセル・ティーマンさんのもとに訪ねて来ました。多少緊張の面持ちで質問には丁寧に答えています。「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」で5勝した「ニュルブルクリンク」最強にして最速のドライバーであるにも関わらず、全く驕ったところがなくプロの鑑のような紳士です。

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ティーマンさんのスタート直前のインタビューは、14時27分から30分まで約3分少々行われていましたが、昨シーズンとも、今年1月の「八千穂レイク氷上トレーニング」の時とも違う、物静かさが少し気がかりでした。

アーノルドさんは既にドライバーズシートに着き、ウィンドーネットをウーべ監督が装着しています。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 227
2010.07.22

朝は霧で相当視界が悪かったものの天候は次第に回復してきました。フォーメーションラップ後、2010年第38回「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」がスタートします。時計は14時20分を過ぎ、いつタイヤ交換の指示が出るか緊張の中で待機しています。

14時22分タイヤ交換の指示が伝えられました。各担当者は一斉に行動開始です。エアージャッキが稼動し、待機、移動用タイヤは瞬時に外されました。タイヤウォーマーを装着し、キャリアに積載されていた「HARIBO」ゼッケン8「ポルシェ997GT3R」のスリックタイヤは表記されている位置に運ばれました。
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今まで装着されていた待機、移動用タイヤは、スリックタイヤの交換が終了するまでの間、邪魔にならない人工芝の上に移動しました。本番用スリックタイヤは車輌に装着時もタイヤウォーマーを付けたままです。「ムラタチューン」から参戦している3名のメカニックは、既にウーヴェ・フルーク監督が、2月来日時に「レースに言葉はいらない」指示する間はない。メカニックに言葉は不要だと言われていましたから、一挙手、一投足が本当の真剣勝負です。
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一旦人工芝の上に退避した移動用タイヤは、レース車輌に本番用タイヤが装着されるとスリックタイヤが積載されていたキャリアに載せられベルトで固定されました。このタイヤ交換作業にどのくらいの時間を要したと思われますか。
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